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歓迎会 side ウザン

連載ペース速めたいなぁ~

というか毎日1話書いてる人すごいよね。

俺にはムリだ(><;

前話の違う人視点って感じかな。矛盾が無ければいいけど・・・

◆◆side ウザン


何も出来なかった。

獣人になって初めての戦闘で俺は何も出来なかった。

しかも、相手はそれで全然本気じゃなかったとかダサ過ぎる。

戦闘と呼べるか判らないが開始直後弾かれたトリスを心配する暇無く俺も同じように後ろへ弾き飛ばされた。

何とか体勢を立て直し踏ん張る事によってダウンは免れた俺が前を見ると、元俺が居た場所には木刀を持ったドレッドヘアー男が佇んでいた。


「お前は俺の相手をして貰おうか。」


俺はチラリと後ろを振り返るとベッツに庇われた後ろからニキータが心配そうにこちらを窺っていた。

ニキータは俺の・・・いやこのクラスの妹的存在なのだが、何故か俺にだけは姉のように接してくる。

そんなニキータの不安そうな顔が何故か俺の心を苛立たせる。

そんな苛立つ心から思わず口を突いて出てしまった。


「・・・OK先パイ。」


努めて虚勢を張ってみるが背中に冷たい汗が流れるのを止められない。

眼前に立っただけの男だが底を感じる事が出来なかったからだ。

戦わないと気が済まない性質の俺だがこの目の前の男が強い事は見ただけで判る。

こんな事はクラスに居るジャンに喧嘩を売った時以来でありその時以上の危険を感じた。

それは自身が獣人になった為に野生の感が冴える様になったのか、目の前の男が強過ぎるのか・・・。


「ウォアアアァァァ!」


自分を奮い立たせる様に腹の底から声を張り上げつつ怒声を男へ叩きつける。


「良い覇気だ。だが気合だけでどうにかできる戦力差ではない事は既に判っているはず。」

「だとしても負けられねえんだよ!」


振り向く事はせず後ろの戦えないニキータ達を思い床を蹴る。

こいつらだけは何としても守らねえと男が廃るってもんだ。

その思いが声を出させ強張る体を突き動かした。

大丈夫だ、俺が勝てないと言っても俺らのクラスにはベッツやトリス、それにガイが居る。

こいつらなら何とかしてくれるという思いは全員に喧嘩を売って戦った事のある俺のカンが告げている。

それまでの間この身がどうなろうとこいつの足を止めをし時間を稼いでやろうと思っていた。


俺はイリエワニの獣人だ。

カプセルから出た俺がロッカールームで己が何の獣人かを知り色々試した結果、’挟む’という行為に力を発揮する事が判った。

何故ならロッカーをベアハッグで潰せたからだ。

いくら事前に鍛えていたからと言ってもロッカーをベアハッグで潰せた訳ではない。

そんな俺は地を這うような低姿勢で飛び出し相手の懐に一気に入り込み右フックを繰り出すと、男は上体を少し反らしそれを避ける、それは判ってた。

そのままの慣性に従って後ろ回し蹴りを続けて放ったが、それをバックステップと共に避けられた。

それも俺のシナリオ通り。バックステップする事によって一瞬宙に浮いた体は逃げ場を失う。

そうする事で次のベアハッグで捕らえるというシナリオだった。


だが、それは叶わなかった。

両腕を男の顔面を挟み込むように繰り出した俺にカウンターを合わせ、持っていた木刀で俺の胴をなぎ払った。

腹部に木刀がめり込んだ瞬間目の前がチカチカと白く明滅する。

そしてサッカーボールのように弾き飛ばされた俺はうめき声が漏れ痛みに耐える余り周りの音が遠くに聞こえる。


「グゥォ・・・」

「ウザンちゃん!」


痛みに耐えつつ薄っすら目を開けると駆け寄ってくるニキータが見えた。


「・・・な・・・・や・・・だ」


お前何やってんだと叱責したつもりだが痛みを耐える余り声が出ていないようだ。


「ウザンちゃん、無理しちゃダメなのだよ」

「・・・俺は・・・平気だ。」

「せっかく獣人になれたのに死んじゃったらヤなのだよ」


そう言って俺の頭を抱え込む。

俺達を影が覆うのを感じ視線を向けるとドレッドの男が木刀を振りかぶるのが見えた。


「うぇあ!」


俺は動かない体に喝を入れるように声を出して腕でニキータの頭を庇ったのは良かったが


ボグギッ!


と嫌な音が体の中を巡った。

あ、折れたな。と思った時には既に俺の腕はニキータの頭から垂れ落ちていた。

幸いにしてニキータには当らなかったようだ。が、痛てえ。。。

俺の顔を抱きしめたままのニキータが涙を流す。


「もうヤなのだよ・・・」


その涙を見た瞬間、やっちまったと思った。

泣かさないようにしようと思ったが予想以上に相手が格上だった。


(クソッ!俺は足止めすら出来ないのか。こんな所で瞬殺されるなんて情けなすぎるぜ。)


ドレッドの男はそんな俺達を見下ろしながら木刀を後ろへと投げた。


「もう使う必要も無いし、元々使うまでも無かったか・・・。だが許せ、これも試練だ。」


そう言ってニキータを掴もうと腕を伸ばして来るのが見えた。

腕は動かねえし体もギシギシいって動かない。

どうにかニキータだけは助けてやりたいが・・・。

祈るだけしか出来ない俺が体の何処でも良いから動かそうともがいていたその時、一陣の風が吹きぬけた気がした。

ドレッドの男が横を向き、そして立ち竦む。


「なっ・・・に・・・」


男の向いた方に目を向けると二足歩行のトカゲが居たがそのトカゲはすぐにガイだと判った。

その訳は横には蹲ったナツキが居たからだ。

あの二人は元々、只ならぬ関係だろう事は判っていた。

ナツキは普段からガイに対して目の敵の様な言動をするが好意が有る事は見え見えだったからだ。

その好意に気づいてないガイもガイだが、ナツキに何か起こった時にはイの一番に動いていたからだ。

その為、二人が許婚同士だったというのは驚いたが納得もした。

クラスでナツキがガイに気が有る事を知らないのなんてガイとラン位だろう。

いや、ランも判っては居ただろうが認められないという感じかもしれんが。


そんな訳もあり蹲っているナツキを見た瞬間、変身しているのはガイだと判った。

そのガイが見る見る透明になって行き1人また1人と先達の獣人達を圧倒し始めたのだ。

そして俺達の目の前に居るドレッド男が何かに下半身を攻撃され、プロレスのアームロックを極められた時の様に地面へ伏し、そのまま腕を折られた。

その時、ノールという獣人がドレッドの男をグラントと呼んでいるので俺達を襲ったこいつはグラントと言うのが判った。

そのグラントが一瞬にして見えないガイから関節を決められ地に伏す。


(やっぱガイは頼りになるな、流石俺らのクラスのNo1だ。)


しかし、グラントの腕が折られるのとほぼ同時に俺達を大きな影が覆った。

視線を向けると途轍もなく巨大な壁が聳え立っているかのようだった。

ニキータもそれを見たのか俺の顔を抱きしめる力が強くなる。

こいつ胸がないから痛んだよな・・・

そんなへんな事を考えた瞬間、後ろの方で轟音が響いた。

体を動かし後ろを見ると階段で弾かれたガイが宙を舞っていた。

ガイが宙を舞う姿を見た俺とニキータはどっちからとも無く立ち上がる。

そして、ガイがやられたという事実を脳が受け入れた瞬間頭に血が上りニキータの腕を振り払った。

折れたはずの腕はすでにくっついているのか動く。


(痛みは有るがヤレる!)


飛びかかろうと腕を振りかぶった時、俺は横からタックルされた。

タックルをされた瞬間犯人はわかった。トリスだ。


「何故止める!トリス!」


と声を上げたは良いがトリスを見た時に止めた理由も氷解した。

目の前に居たのは爆撃王クライツだったのだ。

しかし、見えない状態のガイをあれだけあっさり倒すとはやはり名前だけじゃなく只者ではない。

今も弾き飛ばした筈のガイに対し油断せず立っている。

横にいる俺達に対しても隙は無い。

直感が告げる、実力差が有りすぎると。

そこからこれは只の歓迎会だと告げられた俺達は安堵するが、俺は悔しさだけが残った。

爆撃王達を見送り変形合体するバスには少し心を動かされたが、バスに乗り込み落ち着いた俺は自分の実力不足に自然と笑みを消し俯いてしまいそうになる。


「ふむ、お前はウザンだったか?どうした、そんな顔をして。」


俺の隣にドレッドの男グラントが座る。


「ああ、あんたか・・・いや、自分の弱さに絶望してた所だよ。」

「ふはは!洗礼という意味では上手く行ったと言う事か。」


グラントはにこやかに笑い声を上げる。


「どういうことだよ?おっさん。」


言った瞬間頭に衝撃が走る。

拳骨を落とされたようだ。


「おっさんではない。お兄さん、もしくは兄者と呼べ。」


兄者て・・・何処のモナーだよ。

殴られた頭を擦るがなかなか痛みは取れない。


「で、洗礼が上手くいったってどういう事だよ?」

「うむ、それはな獣人になった際お前達は何でも出来るという衝動に駆られなかったか?」

「そりゃ少しは・・・ってそういう事か。あんたらは俺らの鼻を折りに来たって事か。」

「うむ、そういう事だ。お前達はまだまだ未熟、生まれたての赤ん坊なのだ。

 今が最低なのだから、それで勘違いしない様にという意味だな。

 それに、そういうのは口で言っても判らんだろ?」

「確かに、言われただけじゃ理解は出来ても納得は出来ねえだろうな。」


力が有るって事は言葉で言われただけじゃ絶対納得しない。

だから力と器でそれを示す必要がある。俺が今までそうしてきたように。


「で、お前は何を目指す?」

「勿論、最強を目指す。」

「ん?それは自分の為か?それともあの子の為か?」


グラントは視線でニキータを見る。


「何でニキータが出て来るんだよ、あれはなんつうか・・・妹みたいなもんだ。」

「ん?さっきあの子と話した時にお前の事を「手のかかる弟」と言っていたが?」


ニキータは何故か俺を弟と言ってくる。クラスの妹的存在なくせに。


「なんでだよ!どう見てもあっちが妹だろ!身長も見た目も、誕生日だって俺の方が早い!」

「誕生日か・・・そんなもの獣人になった時にお前達は全員同じになっただろう?

 それにだ、あの子は俺に飛ばされたお前を助ける為に俺の前に出て来た。尖っているだけのお前よりよっぽど大人だと思うがな。」


確かにその通りだ。誕生日はリセットされたんだった。

そう思いニキータを見ると先輩女獣人に餌付けされてるのかお菓子を頬張っていた。


「あれが姉の姿だとしたらやるせないぜ・・・」

「ふむ、確かに。」


でもま、確かにあいつを泣かさないよう強くならないとな。


「そこでだウザン、お前はうちの道場に来ないか?」

「は?道場?剣術をやるつもりは無いぜ?」

「剣術だけじゃないが、そこはお前が見て決めればいい。」

「わかったよ、でも、見て合わないと思ったら辞めるぜ?」

「それでよい。」


こうして、俺はグラントの思惑に乗り道場へ通う事になった。

こういう感じで12人それぞれの視点でやっていこうと思ってます。

でもメインの主人公はガイなんで色々試しつつって感じかな。


そういえば年末にドラクエビルダーズのコンテストで96位だった。

運営からメール着た時はびっくりしすぎて2度見&写メってしまった。(@@;

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