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わたし  作者: シンユウ
3/3

スナック菓子は麻薬ですか。中毒ですか。

「お前らなんか下の下だ。わたしの前から消え失せろ!」


なぜわたしがこんなことを叫んでいるのか。

それは数時間前にさかのぼる。


わたしの名前は元痩世田美人だ。


なんの因果か。神のいたずらか。わたしはわたしが太っている世界に飛ばされた。

元カリスマモデルのわたしをだ。

こんなことが許されていいはずないのだが、世間では当たり前のようにこの太っているわたしを受け入れている。

なんでこんなことになったか。

そんなこと考えるより今はこの体型を元のスリムな体型に戻してやるんだ。

わたしは今のこの姿を認めない。


この世界に来てから不思議なというか。当然というか。わたしの周りの環境が微妙に違うのだ。

というか。全然違う。


元いた世界ではわたしの周りはもちろんモデル仲間で構成されていた。

類は友を呼ぶ。

痩せているのが当然、みんな体型維持に余念がない。

そんなわたしの仲間達。


それがこの太っている世界では、どうかというと。


<h2>なぜなぜ女子会</h2>


「ねえ、美人。あのスナック菓子食べた。新商品の。一口食べたら止まらない。

甘美な興奮をあなたに。でおなじみのカロリーアップ。

これでまたまた太ること間違いなし。あー、幸せ。食べることそれは神が与えたご褒美よ。」


お前はなにを目指しているのだ。相撲取りか。ちゃんこでも食べておれ。

心の中で毒吐く。

おかしい。この環境はおかしい。

今、わたしの周りは間食大好き。三度の飯では足りない。年中、食欲旺盛の。

そんなおデブな仲間達で構成されている。


そんなおデブちゃんと今日は女子会という名の食い倒れが始まろうとしていた。


あれ、おかしいぞ。わたしは確かに断ったはずだ。

今日は軽く運動をして、徐々にこの体重を減らそうとしていたはずだ。


それが、今。


わたしの部屋で大量のお菓子お菓子お菓子。

ケーキもあるわ。フライドポテトはあるわで。

なんだ。この状況。


「お前ら、わかっているのか。

スナック菓子はカロリーが高い。さらに化学調味料が使われている。それゆえにいつの間にやら、脳に旨味の感覚を覚えさせ、また食べたいと思わせる。

すると気付いた時にあら不思議。完食。食べ過ぎ。また太るという負のスパイラルに突入だ。そんな悪魔の食べ物を食らうとは。頭がどうかしてしまったのか。」


「どうしたの。美人。いつものように食べないの。どれもこれも。あなたの好物じゃない。」


「お前らは、悪魔に魂を売り渡したのか。本来、食事とは栄養を吸収するためのもの。生命維持のための単なる行為。そこにグルメだ。なんだといちいち欲をぶち込むな。食欲旺盛で結構だが、欲にまみれたその姿は人ではない。人以下。下の下だ。人間などやめてしまえ。周りに生かされている。そのことを忘れたのか。お前達は自分以外の生命を食事という形で体に取り込み、エネルギーに変換している。

いただきます。

この言葉の意味わかっているのか。あなたの魂をいただきます。そう言って、感謝しながら、食事をする。そんなことも忘れてしまった愚かな者どもよ。わたしの前から消え失せろ。二度とわたしにお前達の面を見せるな。」


わたしの周りから人が消えた。

あれを人と呼ぶなら。


あたりが静かになった。これで今日の計画を遂行できる。

さあ、今からダイエットを始めよう。


<h2>なんだ。神とは、キツネ様とは</h2>


そんな折、どこからともなく声が聞こえた。


「んー。幻聴か。」


「違うよ。違う。幻聴とか幻とかじゃないよ。今、こうして君に話しているんだよ。」


「なんだ。一体、姿は見えないのに声だけ聞こえる。」


「なにを不思議がっているんだい。他の人ならともかく、君、元痩世田美人が驚くことじゃないよね。このパラレルワールドにいる君が。」


「なんで、そのことを知っているんだ。」


「なぜって、それは君が言っていたよね。神の気まぐれか。悪魔の仕業かって。」


「お前は悪魔か。そうか。お前の仕業か。こんな非道なことをするのは悪魔に違わない」


「違うね。悪魔じゃないよ。僕はダイエットの神 キツネ様だよ。

時空の歪みで君の世界ともう一人の君の世界が入れ替わった。

そうそう。この太っている世界の君は君とは反対に太っている体型からなんの努力もなく痩せた。そう向こうの世界。元、君のいた世界でカリスマモデルとかいうんだっけ。そんなことをやっているよ。僕にとっては痩せていようが太っていようがどうでもいいことだが、いやー。魂が消滅しなくてよかった。よかった。」


はあー。今、なんと言った。わたしがわたしで。あいつがあいつ。わたしが太って、あいつが痩せて。んー。なんだ。なんだ。カリスマモデルはわたしだぞ。こんな体型だった奴が、なんの努力もせずにカリスマだと。この世は狂っている。特にこの世界が。今のわたしの周りが。


「おい、神。今すぐ、元に戻せ。わたしを元の世界に戻せ。神なんだからできるだろう」


「なんか誤解をしているね。今、この状態で並行世界のバランスが取れているんだ。それをまた、崩すとなると次はどうなるかわからない。君という存在が消えるかもしれないというのにわざわざリスクを犯すこともないだろう。体型なんて別にどうでもいい要素だろう。なにをそんなにこだわるんだ。君たち人間という存在は時々よくわからないことを言うね。姿形なんてどうとでもなるだろうに魂こそ重要だと言うのに。形あるものより形のないものに真実がある。そんなこともわからないとは、まだまだ修行が足りないね」


「なんだと。元に戻せない。姿形がどうとかだとそんなお前の理屈など知らん。わたしの体型を返せ」


「言葉使いが悪いね。仮にも神ですよ。キツネ様だよ。わかっているのかい。人間とは、なんとも頭が悪い生物だ。でも、君はうすうすわかっていたよね。この世界でやることを。もう元の世界に戻ることはできない。今の所は。ならば、さっきのように君が君であり続けるために。この世界でやることは一つ。自分のことは自分で処理しないと。カリスマモデルになりたいのならこの世界でも同じようになればいい。そうシンプルに単純にただ痩せるという結果をこの手で掴めばいい。そうそう君はなにも変わっていない。魂という存在は変わっていないのだよ。そのことが後できっとわかるだろう。あっちの世界に行ったもう一人の君もわかるだろう。どこへ行こうがなにも変わっていないということを」


「なにを訳がわからないことを言っている。今、わたしは太っているぞ。なにが変わっていないだ。体型が変わっているじゃないか」


わたしはいま、なぜこうなったか。その謎の片鱗に触れた。この自称、神様のいうことは嘘か本当かわからないが、とにかくわたしはこの体型を太っているこの状態を変えてやるとただ単純に痩せればいいと改めて思うのだった。

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