2人の関係
この作品は、妄想であり、創作です。
9.
2人はそういう関係なんじゃ無いか?と疑い出したその日から私は毎日の妄想に苦しんだ。
考え出すとキリが無くどんな些細な事も妄想に結び付けた。果たして私は2人に焼いているのか、片方に嫉妬しているのか嫌悪感を持っているのか実は羨ましいのか、それさえよく分からなかった。
ムギョルの持っていたハンカチや買い物をしていたらしいブランドの腕時計などちょっとお洒落さんなら珍しいものでもあるまい。しかし20代の後半の成人男子がお揃いのハンカチと時計を持つとは考えづらかった。最も韓国男子は部屋のシェアは普通だそうだし、同じものを共有するのも珍しくは無いらしいが。
私は意を決して、ムギョルが以前買い物をしに来てたと言うブランドの先輩にカマをかける事にした。
私『ムギョルさんの買った時計、ベルトが珍しくないですか?』
先『ああ、ムギョルさんに見せて貰ったのね。なんでも就職して最初のボーナスで買った大切な時計なんだけど、来年兵役に行くからベルト交換やオーバーホールして、家族に預けて置きたいって仰ってたわよ。あのデザイン、今普通に買っても30万ぐらいかしらね』
タンの腕時計を見た日から私は注意深くムギョルの袖口を見てるが時計はしてない。
つまり、自分のお気に入りの腕時計を綺麗に直して恋人のタンにあげたか、預けたかしたのではないか?ある程度高価なものをただの友達には預けないのではないか?
犬の縁取りのハンカチはムギョルのものかタンのものかはわからないが、とにかくハンカチを共有してもおかしくない密着度があるのではないか?
この前も当たり前のようにムギョルがタンの口のマヨネーズを拭いていた。普通そんな事やるか?
そしてタンが昔、一緒になりたかったと言う人はムギョルで、ムギョルの誕生日にタンがそれ以上深入りのアクションを起こそうとしたので、そこは年上のムギョルが幼馴染を引っ張りだして来てタンの事をフンワリ、セーブしたんじゃないのか?
ムギョルの幼馴染は2人の関係を知っていたからこそ、隠れ蓑に協力して来たが、自分にも本物の彼が出来たから、もうオッパも自由になってねっと言ってきたんじゃないのか?
2人は何回も別れようとしたが、結局別れきれず今に至るんじゃないのか。
妄想が妄想を呼び、それに一足早いクリスマスセールの殺人的な忙しさが加わって、私は次第に病み始めた。
ついに2人の関係に疑いを持ち出した千佳。
2人を好きになってしまったのに....ね?