出会い
この作品は、全て妄想であり、創作です。
1.
ムギョルさんに会ったのは1年前、なんと台風が日本に3つまとめてやってきたと言う....毎日のように冠水被害や土砂崩れ、お年寄りのホームが流されてしまったりなど、各地で災害ニュースが放送され、電車は止まったり、いつにない渋滞が起きたりと妙に落ち着つかない夏の終わりだった。
私は地方でも有名な百貨店で、ある外資系化粧品会社の美容部員のチーフとして勤務している。比較的優雅なおばさまやオバァちゃま、肌トラブルと格闘している学生さん、ニキビを相談しにくる若い男の子などを接客しつつ、いつの間にか今年で8年。まぁ、ベテランの部類になるのかな?
ある日ミーティングの後、フロアマネージャーから呼び出しを受けた。
『君も、東京本社で研修受けてるだろうが、うちの化粧品会社は本社がヨーロッパのせいもあるのか市場のおおかたは白人女性が多い。しかし、基礎化粧品を中心とした我が社はすっかり定着した感のある日本人はもとより韓国人、中国人女性にマーケットがますます広がりつつあるのは聞いてるね?』
私はマネージャーの話の意図が掴めず、曖昧に答えた。
『はい。最近こんな地方にも韓国人だか中国人だかのお客様、たまにいらっしゃいますしね?』
『そーなんだ。そこで、2番手を上海支社と競ってるソウル支社が、来年の50周年イベントに向けて、売り上げはもとより社員の教育に力を入れる方針らしいんだ。』
『はぁ。』
つまりソウル支社生え抜きのマネージャー候補がこの支店に視察を兼ねて研修に来る。私には彼の教育を担当して欲しい。うちのような地方に来るのはどうやら目立つ本社を避けて、上海支社を出し抜きたい、と言う事らしい。
確かに東京地区に次ぐ堂々の売り上げ実績のあるわが支社は教育体制が厳しので有名だ。ちなみに私も入社した頃はトイレでよく泣いた^ ^
私は実家暮らしだが、独身寮の買い上げマンションの部屋は7階で12畳はあるから、まぁ留学生?が暮らすのには悪くないのかもしれない。
さてさて、次回はソウルから来た研修生に回りは大荒れの予想!