読ませる努力シリーズ、最後を決めて突っ走れ
この最後と言うのは、決して物語の終焉、主人公達の冒険が終わる事ではない事を明記する。
さて、今日の努力シリーズは、どうしても章が長くなってしまう作者達に進める。丁度いい所文量の書き方である。
長い章と言うのは、こう言った成り立ちで起こってしまう。
そのプロセスとはこうだ。
新しいネタ思い付いた!→書いて見よう→あれもこれも物語に深みが出るぞ!→風呂敷広げ過ぎて畳まらねぇ!!→どうすんべ……
こうなった作者はおられないだろうか?
そして、そんな作者達はこんな手法を取るのだ。
「もう無理矢理にでもまとめよう!」
こんな手法を取ってしまい、読者が離れるパターンじゃないだろうか?
そうじゃないのなら、このエッセイを見る必要はない。時間の無駄になってしまう、その時間を使って小説を書くといい。
さてと、こんな酷い結末を避けるにはどうしたらいいかと言うと、そこはタイトルにある通りだ。
「最後を決めて突っ走れ」
この最後と言うのは、章を構成する起承転結の結部分の事を言っている。
その結を考える方法を今日は伝授しよう、物語作りにも役立つかも知れない。
まず私はその章の最初と最後を決める。例えばだ。
しつこくてすまないが、私の「終末世界を変態が行く」の序章だと、こんな始まりと最後になっている。
最初:主人公とヒロインが廃墟街にある廃病院で目覚める←物語の始まり、舞台の危険度を決める。
最後:車に乗って、廃墟街から逃走する←そこから逃げるのが目標。
随分と簡単な構成ではあるが、物語としての完成度はかなり高いと思う。
どこどこで始まって、どうする。と言うのが物語を考える上で非常に重要な手法となる。
何故ならば、オチが決まっていれば、間に挟まるはずの物語は限定されたものになるからだ。
事実、上記の構成で、主人公とヒロインがいきなりビーチでデートしたり、ウィンドウショッピングを楽しんだらおかしいだろう。
頑張れば、出来るかも知れないが、彼らが居るのは怪物がうろつく危険な廃墟街だ。頑張らなくていいんやで。
となるとだ、その物語の間で、主人公達が取る行動と言うのも決まっているし、主人公とヒロインの性格を鑑みれば、どんな物語が行われるのか、構成しやすくなる。
そして、このオチの決め方と言うのも、最初を決めた時点である程度決まっているのだ。
大抵物語と言うのは、事件に巻き込まれたりして始まっていく、それは異世界召喚だったり、はたまたトラック転生だったり、こいつらのように見知らぬ廃墟で目覚めたり、はたまた至って普通の学生だったが、転校生に巻き込まれたりと、様々な始まりがある。
しかし、大抵オチと言うのは決まっている。
結局は主人公達がどうにかするのだから、決めるのはそのどうにかしてどうなった位である。
故に、オチの考え方は舞台にあるはずの小道具でよかったらなんでも使っていいので、それを利用してなんとかするオチを考えるか、主人公達の能力を使ったオチを考えるかの二択になる。
後者はすごく簡単で、小説を書いたことのない人間にもかける。前者は経験必須だ。
今日は前者の方法を伝授しよう。
設定はファンタジー小説で、騎士を目指す少年が兵士として頑張る話にしよう。
彼は、大臣か何かの命令で、平原に出る怪物を退治する任務を請け負う。
無事に怪物に出会う事が出来たが、攻撃が通用しない程、固い相手だった。
となると、オチは平原で、こちらの武器があまり通用しない敵に追いかけられて、そいつをどうにかするオチになる。
さて、主人公の能力と装備が足らない、まともに戦ったら負けてしまう。じゃあどうするか。
オチに移行するまでに、途中の物語で小道具を仕込んでおこう。例えば平原だったら何があるかを考える。
もしかしたら、崩落した石切り場があるかも知れない。昔、戦場で使われた投石器が落ちているかも知れない。
それを考えて、オチに至る前に、小道具を仕込んでおく。それで敵を打破するのだ。
人、これを伏線と言う。
して、オチが決まったら、次は最初と最後の間を決めてしまう。
もちろん大まかな流れである。
例えば、私の作品「終末世界を変態が行く」の序章ではこんな流れになっている。
病院で目覚める。外は廃墟だ。
↓
なんか人間食いそうな奴が居る。
↓
とにかく病院を出よう。
↓
街全部廃墟やんけ!しかもここ知っとるで!
↓
何があったんだろう?
↓
考えててもわかんねぇから街から出よう。
↓
幼女襲われてるやんけ!拾ったろ!
↓
幼女助けたら襲ってる奴らが本気出してきた。
↓
逃げよう。
↓
安全な場所についたら、幼女が色々教えてくれた。
↓
車手に入れよう。場所はめぼしついてる。
↓
車ゲッチュ!逃げるでー。
↓
なんかでっかいムカデ追いかけて来とるやん!
↓
まいたで!
↓
俺は自由だ!
解説すると、すごく硬くて速い敵から逃れる為に、車を手に入れて逃げようといった物語だ。
あらかじめ、車で逃げると言う事を決めておけば、どこで車を出してもいいのだ。ほかの物語は外連味を出すためのおまけである。
幼女が出なかったら、放置されている車から無事な部品を集めて車を組み上げる、なんて物語へとなっていたかも知れない。
物語は変えていい部分と変えてはいけない部分を決めるのが一番書きやすくなる。
説明が下手で申し訳ないが、これが亜細万の精一杯である。
これを利用して素敵な小説ライフを送ってくれ。