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広大な大地の名は”ガーデン”

その中心には広大な平野が東西南北に広がり、人を中心にした生態系ができている。

広がる平地を生物が住むのに適しているという環境というのならば、各方角の端には、それぞれの生物が住むのに決して適しているとはいえない環境が広がっている。

その境目にはそれぞれ国が置かれ、その中心には大国”プロスペリティ”が在地している。この国は文字通り千年王国を体現した、大国の文字の前に超がつくほどの国である。

ただ、時を重ねていく毎に、力も衰えていく。

かつて、聖戦と呼ばれる大戦では先陣を駆け勝利を収めた。いわゆる”魔”と呼ばれる存在であり、そのことについて記録されているのは一冊の本のみであり、つくり話だという声もあがるが、この情報を基でに数多くの物語が作られている中で唯一共通しているのが、”一人の英雄が魔なる者を討ち果たして、平和を勝ち取った”ということだ。













「われらが英雄に、盛大な歓声を!」

瞬間、大きな爆弾の爆発だと間違えるような歓声が上がった。鳴り止まない拍手に、怒号のような雄叫びがこだましていて、中には脱ぎだすものや泣き出すもの、祈りをささげる者までもいた。

その歓声の中心には二人の男がいた。

「うおおぉぉ!みんなぁぁああ!ありがとう!」

ジェントレスが叫んだ。身に纏う白銀の甲冑はいつのまにか地面に置かれ、上半身裸になって、両手を天にあげ叫んでいた。

それに対し、漆黒の甲冑を纏う騎士。”マイルストーン”は、人ごみを避けるように、城の中に歩いていく。

「おーいマイル。もういっちまうのか?結構疲れたし、休まなきゃな。まあ俺は今日、徹夜するけどな!」

そういいながら、人込みのなかに消えていった。



大国プロスペリティが誇る、英雄の名を預けられる2人の騎士。

シロガネのジェントレス。クロガネのマイルストーン、

今回、二人に与えられた任務は、村々を略奪し指名手配されている賊の討伐である。

賊といえば聞こえは悪いが、今は亡き国の王子である。詳細は不明だが、ある日忽然に王の姿が国からきえ、その日から王子の暴走が始まった。その暴走はとどまらず、禁術とされている黒魔術。死者を蘇生するとされている術の探訪のために、多くの国民に、その周りの村までを手にかけ、国から逃れてきた国民から助けが来たということだ。国を又にかける商人にも裏をとり、任務を与えた。かつて一騎当千の名を知らしめた王子に、呪術により洗脳にかけられているという話のため、この二人が選ばれた。

結果は、予定より時間がかかったものの、完璧といって良いほどの出来だ。洗脳されている国民に死者はゼロ。王子との戦いも終始優位な戦いで、目だった傷も見られなかった。

ジェントレスは笑顔がまぶしく、人が吸い寄せられるような人で英雄の素質を兼ね備えている。そのため、老若男女、誰にでも好かれるカリスマを兼ね備えている。

それに対し、普段の半分以上は甲冑を纏い、めったに発言しなかったり変化の無い表情からカリスマ性は無いが、人を寄せ付けない圧倒的な武力に一部の騎士などにあこがれる人もいる。あくまでも一部だが。


彼らは幼少期から二人でいることが多く、お互いを高め合うライバルの関係にあったと思われている。まあ、本人達がどう思っているのかはわからない。










それから数ヶ月の月日がたった。

プロスペリティに一通の手紙が送られてきた。送り主は極寒地域との境目にある国”ウィズスタンド”

緊急との前置きののしたには、応援を求む内容が記されていた。

突然の要求に人員は裂けず、かといって大国としてのメンツがある。

数時間に及ぶ会議の末、応援には二人の英雄を差し向けることになった。






二頭の馬に跨り、大地をかけて行く姿があった。

「なぁ~。コレ、どう思う?俺、なんか不吉な感じがするんだよなぁ~」

体を馬に預け、一定のリズムを奏でながらジェントレスは言った。

「それにしてもよぉ~。緊急って、何が起きたんだろうなぁ。あそこらへんの治安はそこそこ良かったけど」

極寒地域への関門として、地域の特産品の貿易拠点として居を構える国”ウィズスタンド”

生物が生息するにあたって寒すぎるその地域では、その地に適応することが必要である。人は獣などから得た毛皮のコートを羽織り、おそらく平地にいる生物の亜種的存在であろう環境に適した進化が見られる生物がいる。特産品の中で一番有名なのは氷だ。冷気を発し、時が経てば冷たい水に変わる。現地では良く見られる氷だが、輸送中に3~4割解けてしまうので、高級品として有名である。


「あれ、なんていったっけ。でっかい池のこと。ええと・・・」

マイルは何もいわずに馬の鐙に体重をぐっとかけた。

漆黒の体毛を持つこの馬は長年、友にしてきた愛馬である。そんなマイルの気持ちを汲み取ったのか、速度を上げ、両馬との差を広げていった。

「わかった!確かう・みって言ったっけ。ってまってくれよ!」


白と黒の騎士は、大地を風の速さで駆け抜けていく。


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