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美女アプリ  作者: kurogane
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ときめき

と・き・め・き

彼女の醸し出す静かで透き通るような雰囲気

品のいいアロマを嗅いだ時の心地よさの如く、自分の心に風が吹いた

これはまさにときめき。仮にこの風のピリオドがあるとするなら、終わらせたくない。

いや終わらせちゃだめだ



彼女の勧めでハジメはアリサの向かいの席に座った

座ってからのハジメは饒舌であった

現在読んでいる風のピリオドの話を皮切りにハジメは熱く喋り続けた

2人は初対面に等しい。普通の女性ならこの時点で嫌悪感を覚えてもおかしくないであろう

ただアリサはハジメの話を優しく笑みを浮かべながら心地よく聞いているように見えた

それは彼女が風のピリオドという小説が好きなのもあるかもしれない

自分の好きなものに好感を持ってくれる人に、嫌悪感を覚える人はまずいないであろう



「ふふっ」



するとアリサはハジメの話す姿を見て少し笑った

それを見てハジメは我に返った



「あー。しゃべりすぎかな??」



「ふふ ちょっとだけね。失礼かもしれないですが、お名前聞いていいですか?」



ハジメは舞い上がって自己紹介すらしていなかった



「そうだった。俺、栗山 一といいます。歳は22です。よろしくお願いします」



「上園愛莉紗です。22だと同い年だね。よろしく」



先ほどとはうってかわり、2人の間に沈黙が続いた



「あの...なにか頼まれますか??」



アリサは気を使って、ハジメにメニューを渡した。ハジメは本当に気が動転していたのだろう。飲み物すら頼まず喋り続けていたのだ。それだけ彼女が魅力的で会えたのが嬉しかったのだろう



「あ!ありがとう」



メニューを広げるとフードのページやドリンクのページなどがあり、値段は少し張るが、写真やオススメなどが載っており分かりやすいメニューになっていた



「すごい雰囲気のいい店ですね」


ハジメは店の内装を眺めながら言った



「そうでしょ。結構路地の所にあるから、隠れ家的でいいでしょ」



「確かに俺も来るまでわかんなかったかも」



ハジメは店員を呼ぶとアイスコーヒーとサンドイッチを頼んだ



ヴヴヴ



するとアプリから通知が来た


彼女を映画に誘ってください。


通知を見てハジメは一瞬驚いた

普段のハジメでは到底思いつかない発想だからだ

つまりアプリが言いたい事は彼女をデートに誘えと言っているのだ

文章にしたら簡単だろう。ただ相手に伝えるとなると今までそういった経験の少ないハジメにとっては難しい、増してや相手がアリサのような美女ではより難しいと思える



ヴヴヴ



ハジメが躊躇していると再びアプリから同じ通知が来た

「わかってるよ」ハジメはそれを見て心の中で思った


ヴヴヴ



またアプリからの通知だろう。再び携帯が震えた



「さっきから携帯鳴ってるけど大丈夫ですか??」



「あぁ。大丈夫です。よかったら今度映画でも見に行きませんか??」



話の流れもあったものじゃない、ハジメは思いつめた挙句自然と口から出てしまった

すると彼女は笑い出した


「ははは。ナンパですか?」



ハジメは赤面した

自分が発した言葉に一瞬後悔した



「すいません。口が勝手に..ははダメですよね...すいません」



するとアリサはジーッとハジメの顔を見つめた

ハジメそのまま吸い込まれてしまうのではないくらいドキドキが止まらなかった



「ふふ いいよ。いつにする?」



意外な返答にハジメは一瞬静止した



「えっ?いいの?」



「いいよ。いつにする?」



2人は自分たちの予定を話し合うと、今週の日曜に決まった。

その間に自然とお互いの連絡先を交換した

すると彼女は時間を見て店を後にしようと伝票を手に取った



「いいよ!ここは俺が払うよ」



ハジメは彼女を呼び止めた



「え!でもワルイよ」



「大丈夫!あとから俺が来たんだから払っとくよ」



「うーん。じゃあ甘えちゃおうかな。」



彼女は伝票を口元にあてながら考えたがハジメに伝票を渡した



「じゃあ日曜日ね。詳しい事はまたメールするね」



そう言ってアリサは店をあとにした

彼女を見送るとハジメの緊張がほぐれた



「緊張したな。でもまさかデートに誘えるとはな」



その後に店員が持ってきたサンドイッチを、ハジメは手に取り大きくかぶりついた

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