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旧魔王坂高校 魔術研究部!  作者: 四月一日ワタヌキ
4章 三つの性質をしってるかい? 
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○日野宮○ 火水の燃え盛る正午 5


 

 わたしは二人をじっと見る。

 本当かな?

 自分の体の中をスキャンするみたいに観察する。

 わたしの中の火水性質ピッタはどうなっている?


 落ち着いている。

 でも、あとほんの少し、何かが足りない。


 何が足りないんだろう?

 火水性質で今のわたしたちを補うもの。

 今のわたしたちが激しく危機に陥ったきっかけはなんだったのか?


 わたしと角吉の言い争い。

 そうだね、これだ。苛烈な競争心で二人ともぎらぎらしていた。

 で、太陽もぎらぎらしちゃった。そういうわけ。


 わたしは深呼吸する。おちつけ、落ち着くのだ、日野宮コノミ。

 角吉に向かい合う。

「ごめんね」

「なにが?」角吉が怪訝そうな顔をする。「いきなりなんすか」

「さっきはなんか偉そうだった。『なんか案ない?』みたいな。悪かったね。そんな質問するなら、おまえが案出してからだろって話だったね」

 わたしは頭を下げる。

「ごめん」

 

 すうっと涼しくなる。

 見上げると太陽が手のひら大になっている。


 謝って、怒りの火を治めてみたけれど、でも本気度が足りなかったのか。それとも3人が3人それぞれで感情の火を治めないといけないのかも。


「張り合うなんて愚かだったな」

 わたしはつぶやいた。

 本当にそうだ。

 わたしはちょっと愚かすぎた。


 空風体質の試験の解決の早さをみて、焦りすぎた。もっと現状を分析すべきだった。

 急いてはことを損じる、は本当のことだ。


「まあ、ゆっくり解決しよう。時間はまだある」

 わたしは笑顔でそういった。

 角吉はあっけにとられ、ジーローはひよこ口で不適な笑顔になっている。

 そうだ、まだ時間はあるのだ。あきらめたりなんかしない。それでも大丈夫だ。

 わたしはわたしをあきらめない。

 それだけ。

 まあ、結果がでるまでゆっくり構えようじゃないか。


 覚悟は決まった。イレギュラーはやらない。わたしの王道で勝負するのだ。

 それが一番いい。

 わたしは何をおびえていたのかな。


 こんな場所で一番にならなきゃ、結果を出さなきゃ、どうにもならないと思い詰めていた。


 でも違うだろう。

 結果を出すなら、一番自分が認められていところ。認められたい人から攻略する。

 順番を間違えて落ち込んでいたらば世話ない。


 自分の一番認められたいところへいくためにも、いったんこの試験は終わりにしないとね。

 ただ、それだけのことなんだよ。うん。それだけ。

 

これから2か月いそがしくなるので

いったんおしまい

読んでくださったみなさますべてに

ありがとうございます!

です。


余裕があれば

再開するかもしれないです

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