プロローグ
やあ、諸君。
まず言っておくが、高貴な存在である私が低能たる人間どものために、この日記を残すこと事態が異例であり、特別である。
慈悲深い心に、感謝するがよい。
私の暇つぶしに付き合えるとは、まことに光栄なことだ。
おや、自己紹介をしていなかったな。
これもいい機会だ。私が、簡単な自己紹介をしてやるから、私の種を一生懸命想像してくれたまえ。
その愚鈍な頭が、どのように働くのか興味がある。
私はペンギンの一種で名前はアースキン。以後「アースキン様」と呼ぶがよい。
私はマッコーリー島に住んでいる。
至極常識的なことだが、愚鈍なる君たちのために補足しておくと、マッコーリー島とはこの世で唯一マントルが露出している自然遺産にも登録された崇高な島だ。
まさに私に相応しいと言えるだろう。
私はマカロニペンギン属に属するが、間違っても他と同列に扱うでなよ。
私ほど凛々しい顔つきの者はいない。美しい金色の冠と色白の肌は、君たち人間には拝むことすら難しいほどだ。
私の身長は75cm。この小さな体に全てが詰まっている。
中身がスカスカで体だけ大きくなった君たちと比べると、やはり完成された存在と言えるだろう。
このエピソードは自己紹介だけのつもりだから、今回はこのくらいにしておく。
そろそろ分かったかね?
ここまでの情報を聞いて私の名前を理解できない者がいるなら、そのお気楽な脳みそでここまで生きてこれたことを賞賛したいよ。
そう、この私こそが Eudyptes schlegeli。
我こそが、かの有名なロイヤルペンギンである。
というわけで、これから週に2〜3回のペースで、我が同胞たる他種のペンギンについての日記を綴る。暇つぶしのためにな。
お前ら劣等種族は、我の描く暇つぶしを楽しみにしておくが良い




