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[オリジンファンタスティック5話/記憶の 迷宮]

ダンジョンへの調査依頼がセリ宛に届いて

居た。


「ふむふむ,なになに,手紙にはなんて書いてあるかな,君がセリ君かな?初めまして,私はギルドマスター,直接的な接触がバレたら君,面倒だろう?

だから手紙にした,偽名を使い匿名でね,さて,

君が魂の杯を取り返してくれた事を,私は

すでに聞き及んでいる,その実力や功績を

汲んで,私は君に依頼を出したいと思った

次第だよ,,,ー」

 

「ふむふむ」


手紙を読んで見ると,詰まるところは新たに

局所的な魔素濃度の増加から,変異して

生まれた,新たなダンジョンの安全性を,

ギルマスに取って変わって面倒ごとを

終わらせてくれとの事であった。


「よっしゃ!やってやろうじゃねえかよ!」


こうしてセリは,記憶の迷宮と名付けられた,

新たなダンジョンに向かうのであった。


「ギルドカードを,お持ちですか?」


ダンジョン前に居る兵士2人組に止められる。


「セリ様で,お間違えありませんか?」


「はい」


「ギルドマスターから聞いています,どうぞ

お通りください」


こうして早速,ダンジョンへ潜る。


「入り口付近は,然程だな,ちょっと整備されてる

のか?深層へ降るか」


早速に深層に向かって行った。


すると。


「うお!オーク亜種⁉︎何故ここに!うん?いや違う,

これは,,,」


触れてみると,霧のようで,全く持って

物理的な実体は持って居なかった。


「ふむふむ,なるほど,性質を考えるに,鏡張りで

過去の記憶を幻覚として投影するような構造になって居るのかな?」


様々な記憶があった,自身の転生前の姿,母親,

転生後の家族,捨てられた思い出の人形,瓦の石ころ,森の木々,それらはザワザワ騒ぐ。


「懐かしい,これは新聞,これは牛乳,配達を

思い出す,,,あれは病室,あれはよく見に行った

河原,あれはゴミ捨て場,あれは良く無断で

山菜を取りに入った山,,,どれも懐かしい」


すると唐突に,異なる記憶が流れて来た。


「,,,これは? 」


「俺,こんな事やって居たかな?あれ!お母さん!

そして,これは学校か?あれは一体,,,」


これは自身の異なる写鏡を投影して居た。


もし仮に学校え通えて居たら,もし仮にお母さんが病弱ではなかったら,もし仮に何かだったら,

それら,現実的で幸せな妄想の現実を映し出して

居た。


「,,,」


セリは口を噛み締める,涙が溢れぬように,

精一杯に,そうして少しの時間を過ごすと,

論理的思考回路に戻す。


「多分なんだが,これは,量子力学的多世界解釈と

言う奴なんだと思う,ただ何故この無数の

平行世界は,俺に見せられたのだろうか?」


「層により見せる幻影が変わるんだよ」


「⁉︎(誰も居ないのに,急にどこから⁉︎)」


「自然に想像可能な全ての君が平行世界として,

現実的に可能なあらゆる選択肢から無限

の可能性から,過去,現在,未来に渡る,

無数の数えきれない程重なったタイムポイントから,独立して離散した君の姿,これは君が

あったかもしれない全ての惑星の振る舞いを

投影してるんだよ」


「あの〜あなたは?」


「僕かい?僕の名前は君が名付けてくれたじゃ無いか」


訳が分からなかった。


「え,え〜と,,,お知り合いでしたかね?」


「酷いなぁ君!デリカシー無さ過ぎ」


「へへへ,(うわ〜やばい,現実でもたまにあったんだよ,新聞配達でいつも配ってた筈の人を,

溜まったお金でスーパーに買い物行ったりする

時に声をかけられて,誰だってなるの)」


「丸聞こえだよ!酷い!」


「え,口に出てましたか⁉︎」


「いや,心の声がだよ,僕に嘘は通用しないんだよ」


「なんだそれ⁉︎心音や脳の回転した際に

発する微弱な電磁気とか魔法で霊視を

する時のように次元を微弱に弄り,周波数を

合わせるみたいな?」


「そんな事は知らない,だけど私にはこの私の

上で歩き回ってる知的生命体全ての考える事が

わかるんだ」


「私の上,,,まさかですが,オルド?」


「正解です!」


「え⁉︎」


「惑星に意思があるんですか⁉︎」


「いや,本来は無い,,,筈?名付けられてから,

私は意識を持つようになって様々な人々の

内側に私の微弱な残留意識を持つようになった

みたいな?」


「それで私になんのようですか?」


「君は偶々,この場所に来たから,私が意思を

直接脳に語りかけられるのは,このような,

過去を媒介を含む領域だけみたいなんだ」


「じゃあ用は無いんですか?」


「ない,,,かな」


「そうですか」


「,,,(汲み取ってよ)」


セリは更に深層にある記憶を見る。


「これは無意識的なのかな?だって,この場所,

明らかに意識的に何かを識別してるようには

感じないなんか,少しバラバラに感じる,だけど

意志が0って訳じゃ無い,複雑で形容し難い

空気が流れているな」


セリは投影されていた情報を見ていた。


「私は虐げられてきた,私(世界)は,それら,に

憤怒して,様々な厄災を起こした,奴らは踊ったり,祈りを捧げたり,様々な無意味に見えるような,ことをして居た」


それは,偶像の不在した惑星と惑星の意識

に宗教的に形や構造や意味を与えていた。


「それは私を論理の檻に閉じて,私の意志(真理)は否定され,自然現象に置き換えられた」


「,,,これは,さっき話したオルドの事なのか」


「知的生命体の概念は,既存を破壊して,世界の理を無視して,都合の良い理屈を科学的に付け足して,論理と言う枠組みに,惑星を内包した」


「これで,終わりか?,ん,まだ深層部に続く,

階層があるが,まずその前に,戻ろう」


セリは表層付近の層に駆け上がる。


「オルド!オルド居るか!」


「あれ?君深層に潜って行ったんじゃ」


「君は,君は僕が名付けたから生まれたのかい?」


「うん」


「もし仮に,君は助けを求めて居るんだったら,

僕は君を」


「良いんだ」


「え?」


「僕はこれはこれで,気に入ってるんだ」


「,,,」


「私は,私は!,,,」


「言えよ」


「へ?」


「苦しいなら!苦しいって言えよ!」


「!!!」


セリが心の底から出た意志は,心の話し声と,

同じ言葉が重なって居た。


「なんで僕が苦しいなんて,君に分かるんだ!」


「そりゃ分かるさ,だって君の無意識が既に

喋って居たじゃ無いか,縛られたって,苦しいんじゃ無いのかい」


「,,,」


「深層を見て見ても良い?(やばい,感情的に

なり過ぎて,先走ったか?)」


「勝手に行けば良いじゃ無いか」


「あぁ」


そうしてセリは,深層4階に潜る。


「立て続きに連なる絶望の連鎖,それは私をより

深い絶望に浸して居た」


「これが続きの記憶の投影って奴か」


「そんなある時,自身を虐げない,魔人と言う人物が居た」


「魔人,,,(これ確か,文献にも載って居たな,確か

伝説上の存在で,魔物に分類が近いが人と

友好関係を築いて居たと言うあの,架空の物語

では無かったんだな,じゃあオーガが言って居た

あの話は一体?それに正規の歴史には何にも,,,歴史改竄⁉︎)」


「ただただ静寂の中で,魔人は過ごして,自然を

ただ受け入れて,動物と戯れ,過ごして居た」


「突如として,悲劇は起きた」


「悲劇?」


「魔人をよく思わない,聖星信仰宗教の教徒は,

魔人を,魔法を使って,縊り殺して木に括った」


「は?」


「その苦しみの魔人因子と惑星の絶望が運命に

影響を及ぼした,魔獣は基本原則的に人間とは,

絶対的に仲良くなれないと言うものである,だが

人間は非道にも洗脳や刷り込みといった方法で,

その絶対すら論理で破壊した」


「,,,(違う,オルドは,オルドは!自身を悲観して

居たんじゃ無いんだ,魔人をただ尊んで居た,

ただそれだけだったんだ,,,)」


セリは投影を見た後,表層付近に戻る。


「オルド,,,君は魔人を思って居たんだね」


「君はさ,他の世界から来たんじゃ無い?」


「え,,,」


「だって君も,魔人にそっくりなんだもん,でも

魔人が魔獣寄りだったのとは違い,君は人間

寄り,だから僕に名付けて僕を論理に出来たと

同時に,君は僕と会話できるんだと思う」


「俺と同じだったのか,魔人は」


「多分なんだが,放浪者と呼ばれる魔人族特有の

世界渡りの能力なんじゃないのかな」


「多分理解した,俺が人間寄りな理由,横並びに

連なる平行した次元の時空,多分だけどそれら

からの渡航者が魔獣寄りの魔人族,そして僕は,

根本的に異なる場所から移動した転生者だから

人間寄り,なんだと思う」


「は,はぁなるほど?」


「そりゃ複雑だし,理解し辛いのは無理ないよね」


「まぁでもわかった,渡る手段が違うって感じ

だよね」


「まぁそんなもんだと思う」


「それでなんだが,オルド,君はどうしたい」


「私は,君に助けてほしい」


「よく言った!丁度色々試したい欲も生まれて来てた所だ!(悲しい君の声を聞いては居られない)」


こうしてセリはギアを上げるのであった。

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