[オリジンファンタスティック3話/初めての依頼]
セリは青年期中盤を超えて18歳頃の事。
「セリ,お前は冒険者ギルドに行き,ギルドカードを取得してこい」
「はい!分かりました」
早速だが,セリはギルドカードを取得しに行く。
「すいません,すいません!」
「はいはーい,ギルドの使用は初めてですかニャ?」
「,,,ニャ?,,,猫ですか?人ですか?」
「獣人族を知らないのかニャ?」
「はい」
「ってか獣人語がわかるにゃ⁉︎」
「え,あぁはい,分かりますよ」
「なんか変な人だにゃあ,まぁいい,とにかく,
ギルド初回だにゃんね?」
「はい」
「じゃあギルドカードを取得するために来たの
かにゃ?」
「はい」
「じゃあこのギルド書に,名前と使用可能な
スキル等を記述して,血印をしてくにゃ」
さらさら〜っとセリは記述する。
「ふむふむ,あの名門の苗字,まさか新代の当主
または候補かにゃ?」
「長男ですし弟ではなく妹2人ですし,分家も
居ないので」
「なるほどにゃあ」
「おい!」
「痛てにゃ」
「何を突っ立って話してやがる,冒険者ギルドに
休む時間はないぞ受付嬢が休んでる場合か」
「ごめんにゃさい」
「それで,あんた,どうすんだい?」
「え⁉︎え〜とじゃあ依頼を受けます」
「わかったよ,Eランク冒険者だから,
緋色の森のゴブリン退治だ,最近繁殖期
らしくてな,5匹狩ってくれ,報酬は
銀貨5枚で買い取るよ」
「はい!行ってきます!」
こうしてセリは緋色の森へ行く。
「へぇこの場所が,真っ赤だな」
「確かこれに詳細が,なになに?,ふむふむ,魔法
基礎で説明された人工法則にあった,循環に
関連してるみたいだな,緋色の森はかつて,
整然とした樹々の立ち並ぶ森であったが,
魔素の局所的に集まり,密度が高まって,森が
変異した,魔素に適応する様に進化して,
小鳥は赤鳥に,蝶々は毒蝶に,気は赤く棘を
増した,,,か,それで地下から這い出てきたのが
ゴブリンねぇ,ふむふむ,,,局所的に高密度に
なるなら,低密度で全く魔素が存在しない場所も
あるのかなぁ」
メモを参照しながら歩いて居ると,前から
巨大な鬼が現れる。
「人間,この場所は,我々オーガの縄張りだ,
覚悟は出来ているか?」
「あんたは一体?」
「ゴブリンの首領,ゴブリン亜種とは我の事だ」
「ふへ,こりゃ強そうで,僕,初めてなんっすよ,
遊ぶ(殺し愛)するのは)
「へえ,そうかい, あんたら人間種族にとっての
正義とはなんだ?,具体的に我々が何故悪いか
言えるのか?」
「え?いや俺はただ,依頼されたから」
「ただ,依頼された,から?」
「お前は頼まれたら死ぬのか?悪いことをしろと
言われたらするのか?」
オーガは殺気を飛ばした,その場に居た全ての
野生動物が,そして脊髄反射で動く昆虫,知覚
したのだ,あまつさえ立ち並ぶ樹々や大地さえ
もが,揺れ動いていた。
そのドス黒い殺意は混沌としていて,
果てしなく,まるで真っ暗な夜に1人で森に
解き放たれた様な,無数の計り知れない怒りの
咆哮が,世界を風として巡る。
「貴様は,ただの自己満足で,ただ生きようとする,
単なる害虫だ!」
「ふふふ,はははは!!!」
セリは笑い転げた。
「私が何も知らないでただ狩に来たと?,異なる
世界に渡り,私は少しずつでも勉学を学んで来た
だから俺は,ただの阿保では亡くなった,先程
私が参照した調査書には貴様らが増加しすぎた
影響から,街に襲いに来て被害が出たり,森林が
伐採されすぎたり様々な悪いことが起きている,
話が通じるならまだしも,貴様みたいな亜種や特殊個体で無ければ,話す事さえ出来ないのだから
撃退または討伐以外に手段があると?」
「ははは,その坊ちゃん顔で,世の理を知り尽くした覇者にでもなったつもりか?,ははは,感情を
揺さぶる様にすりゃ無抵抗に殺されてくれると
思ったんだがなぁ!」
瞬間オーガは手に持って居た巨大な木を切った
様な棍棒を振るう。
「なに,避けやがったのか」
「俺はさ,倫理的にお前らが何故亜人種に分類
されず,モンスターに分類されているのかを,
模索したさ,仲良くなれないかとか,でも,,,
それは無理だった,モンスターテイマーと
赤子から育てる二つのパターンでモンスターと
仲間になれるがそれは刷り込みと洗脳ありき,
つまりは絆なんて縛りで,君ら本質的に人間を
ただの遊び道具や肉としてしか見ない,
だから討伐対象に分類されるんだって」
「それは調べた種類以外は分からないだろ!」
「あぁ確かに貴様の様に,喋り騙す知性を持った,
存在もいるがそれら特殊個体も稀だろう?」
「ははは,全部わかってんなら態々,騙す必要性は
もう無いなぁ!」
瞬間当たりは暗転の空が巡る,牽制し合う,
さっきのぶつかり合いは,弱い生命体など,
一瞬にして殺してしまう,そんな様な気が
流れて居た。
「さぁ,始めようか!ニンゲン!」
「掛かって来いよ角ありゴブリン!」
産まれた時から,魔物/モンスターと呼ばれる
存在は,魔法を無詠唱で支えて居た,ただ
頭に思い浮かばせて,技名を唱えるだけで
起こしたい現象を引き起こせた。
「サイクロン!」
風の刃が無数に襲いかかる,地球上で観測
されて居たレベルでも大規模,マッハ5の
竜巻は1つだけで地球で言う都市を壊滅させる程の破壊規模を持って居た。
「うぁぁぁぁ」
大規模の地形を抉り取る程の破壊力で
体は一瞬にして天空へと吹き飛ばされて居た。
「くっそ,体の自由が,それに酸素薄すぎだろ,
あ,そうだ,魔力貯臓器が魔素を吸収する際に,
酸素も吸うんだ,二酸化炭素と一緒に酸素も,
ふぅふぅふぅふ〜,,,よし!」
「奴は,魔力で,対物レンズと接眼レンズの2つのレンズを作り,作成して組み合わせて,遠く
にあるものを拡大して,油断しているな」
「ならば,グローブを作成してってうぁぁぁ」
竜巻が引く。
「まぁ,ニンゲンは脆い,多分もう死んだな」
「うぁぁぁぁ」
「ん,なんだ?頭の上から,,,奴まだ生きてやがる⁉︎」
超人的視力と聴力で遥か天空に居る落下中の
セリを見つける。
だがしかし。
「パワーを調整して!,オラァァァァ!」
マッハ5など優に超えて,空気と音の壁を
破ると,それから発生したソニックブーム
は爆破の様で,鼓膜やガラスだけではなく,
コンクリートや金属の柱がぶっ壊れる様に,
オーガは大ダメージを受ける,かに思えたが,
奴は,無傷であった。
「なぁ⁉︎」
あたり一体の樹々は薙ぎ倒されて,地形を
抉り取る程の破壊力をクッションしたのだ。
「ははは!,我がこの程度の破壊力でダメージを
喰らうと?」
「何⁉︎」
「腕は折れてない,な」
「こ,こいつ(魔力で薄い膜を張って,液体と
片栗粉を作り,更に上部にも幕を貼り,
ダイラタンシー的な盾にしたのか?グローブを
して居たにしても腕に対する衝撃が少な
過ぎる)」
「どう言うロジックか大体わかったぜ」
「は?ロジック?」
「え?」
「論理もくそもねぇ素手だ」
「はぁ?」
そうである,竜巻を発生させても地面に足が根が
張るんだ,そりゃそうだ,奴は人間じゃないの
だから。
「フン!」
「ガハァ!」
「ははは!人間!隙を見せたなぁ!」
「いってぇ(嘘だろ⁉︎約マッハ6程,俺の体重150kgと身長2mから質量を換算したら,
戦車砲クラスの質力に匹敵するはず,一体
どうしたら)」
「ははは!これで最後,だな!,ありがとう,そしてさようなら,また会う日まで,ってもう死ぬのか!
ガッはっはっはっは!」
「くそ,,,仕方ない,パワーを更に解放するか」
「何ぃ?手加減でもして居たと抜かすつもりか?」
「はぁぁぁ!」
「む(少し雰囲気が変わった?)」
「背後だよ」
「⁉︎」
オーガの背筋が凍る,さっきまで血反吐を撒き散らして虫の息に思えたが獲物が,認識出来ない程
早い速度で真後ろで仁王立ちしていたのだ。
「うガァ!」
棍棒を大振りに空回りさせる。
「なんだ,更に解放したらこの程度か,技術力が
なかっただけで,勝てて居たかもな解放
しなくても」
「何を抜かしていやがるこのニンゲンがぁ!」
「フン!」
「ガハァァァァァァ」
大きく吹き飛ばされて,竜巻にさえ耐えた,
根が貼り,太く,モース硬度はタングステン並みに硬い木々は,薙ぎ倒されて,あまつさえ
真っ二つにへし折れて行く。
「はぁっはぁっはぁっ」
「荒く,肩で息をしている様だが,生物学的に
それを瀕死や虫の息と言うんだろ?」
「舐めるなぁ!」
ポコっと情けない音が鳴り響く。
「は?」
「くくく,ははははははは!私のフィジカルが
強くなり過ぎて,ダメージが効かないなぁ,
それか,君の腕が疲労困憊でボロボロだからかな?」
「ば,馬鹿な!,俺は片腕で1000tを超える棍棒を
軽々と振れる程の腕力だぞ!,何が疲労困憊だ,
それでも余裕で100t以上の腕力は」
「はぁ,あっそ」
その瞬間,本能的にオーガは理解した,
狩る側から狩られる側に回ったと言う事を」
「ひぃ許してください」
「お前はそう言った人間を何人許した?」
「え?」
「お前は何人許した」
「みな助けました!」
「そうか,,,ふ,ふふふ,そんな嘘もう通用しない
のに」
「やめて下さい!私には妻が帰りを待って
居るんです!」
「今更になって命乞いなんて見苦しい奴d」
「ウィンドランス」
次の瞬間無数の風の槍がセリの身体を
掠める。
「あっぶな!」
「はぁ,はぁ,はぁ,貴様だけだと思うなよ,
第二形態があるのが!」
「第二形態?」
「うぅぅ命を燃やせ,記憶を生贄に,そしてこの
商人から奪った魂の杯を使い,私は完全な
生命体となるのだぁ!」
次の瞬間当たりは赤黒いオーラで包まれた。