雪のような存在③
ちょっとずつ進歩していきます.........
「ゆゆ、雪氷!!何でここに」
「何でと言われてもここに来たら偶然あなたが寝ていたんですよ」
「そ、そうだったのか......」
「そういえば、あなたの名前は確か時乃?さんでしたか?」
「あ、あってるよ!」
名前を憶えてくれていた嬉しさのあまり少し大きい声が出てしまった。
彼女はそんな様子の俺にも気を留めずに話を続ける。
「時乃さんこそ何故こんな場所で寝ていたのですか」
「うーん...考え事してたらいつの間にかここに来て、川の様子見てたら気持ちよくなってきて目を瞑ったら寝てた感じかな」
雪氷のことを考えていたなんて言えないのでそこは濁した。
「そうですか」
回答に対して素っ気ない感じで返された。
しばし静寂の時間が流れる。
「と、ところで雪氷は何でここに来たんだ?」
静寂に耐えられなくなり彼女に質問した。
「私は.....無くしたかもしれないものがここにあると思ったからです」
「?」
彼女の発言は良く分からないものだった。
「何か無くしたものがあってここに来たんじゃなくて?」
「無くしたものがあるかもしれないし、ないかもしれません」
「・・・?」
ますます分からなくなってきた。
何か無くしたものがあって、それがありそうな場所が何ヵ所か候補があるとか?
でもそれだと、最初に言っていた‘‘無くしたかもしれない‘‘という発言と嚙み合わない。
「そろそろ暗くなってきたので家に帰ります。また明日」
色々と考えていると彼女は唐突にそう言ってその場を後に立ち去っていく。
「また明日な!」
遠のいていく背中に一言だけ告げた。
彼女の言う通り、辺りは暗くなってきており日が出ているときは綺麗であった周囲の風景は少し不気味になっていた。
鞄を手に取り帰り道へと歩いていく。
暗く影の世界へと変化していっている中、腰を激しく振っている犬だけは変わらずその場にいた。
「ふぁぁぁ」
つまらない授業が終わり大きなあくびが出た。
入学式から一週間が経過した。あれ以来、学校内外問わず雪氷とは一言も会話をしてない。
といっても、彼女に話しかけられるような雰囲気ではないから仕方ない。
入学から一週間経ったにもかかわらず、彼女の机の周りにはいつも人が集まっている。
雪氷のコミュニケーション能力が高い・・・とはお世辞にも言えない。
他の生徒の話に対して、「はぁ」とか「そうですか」というような返答しかしていない。
一目惚れしている俺でも冷たいと思うほどだ。
それでも他の生徒たちは気にした様子はなく話を続けていた。
正直言って羨ましい。その強靭なメンタルを俺にも分けてくれ。
「まーた雪氷の方見てんのかよ」
彼女の様子をガン見、もとい観察していると後ろから声がかかる。
「あんまり見すぎると引かれるぞ」
後ろへ振り返るとニヤニヤしながら近づいてきた男がいた。
「うるせぇぞ気楽。別に見てるくらい問題ないだろ」
「いやいや、視線がいやらしいんだよ。目から蜘蛛の糸出ててたら巣が出来るくらいねっとりしてんだよ」
俺は気楽を軽くこずいた。
この人のことを変態扱いしてきたやつは気楽 陽太。
名前からして軽そうなやつだが、実際に軽いやつだと俺は思っている。
まず、初めからコイツはニヤニヤしながら話しかけてきやがった。
人を馬鹿にしたような感じの笑い方なのでムカつく。
なにより、俺に話しかけてきた理由がふざけてやがる。
『お前、見た感じから面白そうだから』だそうだ。
その時俺は一発ぶん殴ってやろうと思ったが何とか抑え込んだことを思い出した。
その感情が今しがた復活したが、使う場面は今ではないと思い拳を鞘から引き抜かなかった。
「そんなねっとりした感じで見てねえよ!普通に気になって見てるだけだ!」
「そんなムキになるなって。顔の皺が増えて爺さんになるぞ」
ケラケラと笑いながら馬鹿にしてくる。
反論しようと口を開きかけたが、またうまい具合に馬鹿にしてきそうなので辞めた。
俺は再び雪氷の様子を見る。
前回の投稿から3ヵ月ほど経ちました。
自分はその間、いや現在進行形でブルアカ、NIKKE、スノーブレイクにハマってしまい全然書いてませんでした。何でここで書いたかというと、``みんなにやって欲しいから!!``です。
ゲーム性といいストーリー性といい質が高い!
、と上記では言っていますが実際のところエロかわいい子がいっぱいいるからです。
申し訳ございませんorz