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死にたい

作者: 儚世

そう思うようになったのはいつからなのか覚えていない。気づいたらそんな感情がそこにあった。心臓に錘がついたように、寄生虫のように。離れたいけど離れてくれなくて。小さい頃は嫌なことがあったとしても泣いて寝れば耐えられた。しかし今はなんか違う。嫌だと思うと脳がまず耐えられなくなって次に体が耐えられなくなる。苦しくなって動悸がして自然と首に手が伸びる。けどそんなことするともっと苦しくなるから薬を飲んで少しばかり心を落ち着かせる。

「生きていたらいいことがある」だとか「君より苦しい人は何万人といる」だとか。そんなのわかってる。だけどだからと言って今の苦しみだとか辛さとか絶望が消えるわけじゃ無いから言ってほしく無い。厳密に言うと死にたいんじゃなくて生きていたく無い。苦しいから。生きれない。じゃあ死ぬしか無い。けど痛いのは嫌だし、昔なんかの漫画で読んだ誰もいない暗いところに行くのもやだから死なない。

本当は笑って生きていたい。辛いことや苦しいことも当然人生なんだからあるに決まっているけれど、体に異常が出て死を考えることは無いように。誰も彼にも愛されはしないけどただ一人に愛してもらえるように。人より優れていなくても劣ってることを気にしないように。自分は必死に足掻いたって手に入れられるかもわからない。何もしなくても手に入れてる人もいるけど。

死にたく無いって思える何かがある世界はきっと朝の海みたいにきらきらしていて、冬のココアぐらいあったかくて、好きな人の笑顔ぐらい輝いていると思う。だから。

生きたい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 生きてください。
[良い点] あなたには文才があります。 一作でいいので、自分が読みたい小説を書いてみませんか。
[良い点] 最後の表現とっても素敵
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