1/4
第一歩
ヒントが少ないのでご注意ください
気が付けば、暗い廊下にいた。暗い色のフローリングに、白塗りの壁。そこに妙な装飾が施された窓が等間隔で存在する。西洋の古い屋敷の廊下のように見えた。
廊下の先は闇が広がっていて何も見えない。後ろを振り返っても、同じ。
何もない平地になっても、イバラになっても、どれだけ変化しても歩いて来たんだ。これからも大丈夫。
ワクワクや不安のような感情は特に感じられなかった。
ふと、自分の周りだけがオレンジ色に明るく照らされたと思ったら、足下に一つのランタンがあった。スニーカーを履いた足が強く照らされている。手に取って顔の前に持ってくると、ランタンの中では一本のロウソクがオレンジ色の火を灯していた。
ランタンの明かりを使って周りの様子をよく観察してみる。
特に変わったところは見られなかった。
「……進もう」
戻る選択はなかった。
読んでくれてありがとうございます