主従 (鳥飼泰の好きなやつ、その2)
鳥飼泰の好きな設定その2「主従」
魔術師団は騎士団と仲が悪い。
これはこの国おいては伝統的なことなので、自分達の世代のせいではない。
もちろん、魔術師であることに誇りをもっているため職務に支障をきたすようなことはしないが、どうしたって馬が合わない。
今日も、回廊で出会った騎士が難癖をつけてきた。
何度か仕事で一緒になったことのある、いけすかない男。
「ああ、誰かと思えば魔術師殿か。なんだなんだ、また荷物を従者に持たせているのか。魔術書くらい、自分で持ったらどうだ」
「あら、お生憎様。これはうちの子が自主的に持つと言ってくれたの。いい子でしょう? 私のためにと頑張ってくれているのだから、断る理由なんてないわ。うちの子は優秀で、おはようからおやすみまで全て任せることができるの。寝るときだって、私を抱きしめてあたためてくれるのよ」
「寝るとき? ど、同衾しているのか!?」
「そうよ。主従なら当然でしょう」
「当然なのか…………。そ、そうなのか。では、うちも一緒に……。いや、しかし、」
騎士がもごもごと口ごもり何を言っているのかよく聞こえなくなった。
何かおかしなことを言っただろうかと従者へ視線を向けたが、にっこりと癒やしの微笑みが返るだけなので問題ないのだろう。
ならばいいかと、騎士のことは放置してその場を立ち去ることにした。
主従、好きですね~!
ちなみに。
【魔術師主従】
主:魔術師団の中堅女性魔術師。従者が可愛くってしかたない。
従者:男性魔術師見習い。魔術以外のことには疎い主に、従者は主の世話をすべて引き受けるものだと刷り込んだひと。主のことは全部やりたい。
【騎士主従】
主:騎士団の小隊長を務める生真面目な男性騎士。従者が可愛くってしかたない。
従者:役職のある騎士に付けられる従者。小柄な女性。騎士になる予定はないが、身体能力はそこそこで逃げ足が速い。生真面目な小隊長に言われたことはなんでもする。




