女王の身勝手(女王の第一補佐官 と 女王)
「俺と国と、どちらが大事ですか?」
「…………それは、昨日の騒動の真似事かい? 真面目な顔でやって来るからなにかと思えば、一気に脱力したよ」
昨日、仕事中毒の第二補佐官に向かって彼の恋人が投げた言葉が、これだった。
陳腐なやり取りではあるが、なんとなく、自分も女王と問答したくなったのだ。
「なんだい。まさか第二補佐官のように、お前だよと答えてほしいの?」
「どうでしょうか」
自分でもよく分からず首を傾げる第一補佐官に、女王は小さくため息を吐いた。
「私にとって、国は何事にも優先されるものだ。知っているだろう?」
戯れの問いに、女王は呆れた顔で当然の答えを返した。第一補佐官の尊敬する主としては満点回答だ。
分かっていたはずなのに、なんだか物足りないのはなぜなのか。
そんな胸中を見透かすように、女王は美しく手入れされた白い指で第一補佐官の顎を上向けた。
「だがもちろん、お前は私の側を離れることがあってはいけないよ。女王たる私は国のために生きるが、お前は私のために生きるんだ。……いいね?」
最後に艶やかな笑顔を見せ、女王は第一補佐官の顎を解放した。
「…………御意に」
なんとも身勝手な女王の言葉に、だが自分が欲しかったのはきっとこれなのだと、第一補佐官は熱くなる胸に手を当てて深々と頭を下げた。
主従って、いいよね……(^^)




