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ドミノ製作所  作者: 神田かん
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第1話

サチは昔、僕が寝れなくてずっと布団の中でもぞもぞと体をくねらせていると、僕のところへ来てはドミノの話をしてくれたものだった。僕は今その話のことを「ドミノ製作所」と呼んでいる。


僕は、25歳だ。華の25歳。もちろん結婚もしていないし、子供もいない、もちろん


・・・いないはずだ。そう願う。世間で言われる普通の会社に勤めて、普通のアパートで暮らして、普通の給料をもらって、普通のごく平凡で幸せな生活を営んでいる。でもここまで「普通」と言っておいて、僕はこの「普通」という言い方が嫌いだ。広辞苑で調べてみると、『①ひろく一般に通ずること。②どこにでも見受けられるようなものであること。なみ。一般』とある。馬鹿げて腰を抜かしたいくらいだ。それじゃ、吉野家の並盛りを「普通盛り」にすればいいじゃないか。


・・・でも、とりあえず、僕は幸せである。


父さんと母さんはシカゴにいるらしい。母が昔言ってた。「父さんはあんたらが巣立っていったら、シカゴに移り住むんだって。覚悟しておきなさいよ。もうあたしのお乳もろくに吸えないわよ~」


母さんはバカだ。でも僕が23歳のときに就職が決まって、その3日後に本当に父さんと母さんが実家を売り払って飛び立ったときには驚いた。それから特に連絡はない。だから彼らがいるのはシカゴだと思う。


サチというのは僕の姉だ。9歳も違う姉だ。だから今は34歳か35歳。誕生日は忘れた。とりあえず「おばさん」にまっしぐらなのは確かな事実だ。それでもサチはそこそこ美人だ。僕は心からそう思っている。


しかしながら僕以外のみんな、特に僕の友達、ケンはサチのことをブスだと言う。僕は中学生のころ自分の目が本当におかしいのではないかと真剣に思ったので眼科に診てもらいに行ったことがある。左2.0。同じく右2.0。良好だった。だからこのとき僕は人間の「見方」というのは人それぞれなんだと知った。


どこから話したらいいだろう?なにから話したらいいのだろう?とりあえず話が尽きるまではこの「ドミノ製作所」について話したい。

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