池袋のヤンキーがカバディで勝負するために南スーダンに行く話
なまこさんごめんなさい。
天下御免の池袋の駅前を我が物顔で歩く10人程の青年達。見た目は悪く、髪の色は十人十色。悪い奴は大体友達を地で行きそうな彼等を一目見るや、通行人達はあっと言う間に道を空けるのであった……。
そして反対側から、同じく見た目のかなり悪い青年達が同じく10人程、肩を揺らしながら歩いてきた―――
「おろっ! お前ら見ねー顔だなぁ!?」
似合わないサングラスを大きく下げ、相手を威嚇する顔でジロジロと睨みつける。
先頭を歩いていたリーダー格の青年【上野乃依瑠】はそれに臆する事なく冷静に睨み返した。
「最近越してきたんスよ。これからブクロは俺達が仕切るんで宜しくッス……」
「ンだとテメェ!! カバディで勝負だゴラァ!!!!」
「やってやろうじゃねぇか!!!!」
―――そしてサングラスの男達が去った後、乃依瑠は仲間達に問い掛けた。
「カバディって何よ?」
「知らねッス……」
自信満々にカバディ勝負を受けたものの、誰一人カバディについて知るものは居なかった。
「……しゃーねぇ、南スーダンで修行すっか」
「南スーダン!?」
「多分南スーダンが本場だろ。なんとなく……そんな気がした」
昨日見たクイズ番組で何かの答えが『南スーダン』だったのをたまたま覚えていた乃依瑠は、適当に南スーダンに行くことを決める。そして察しの通り、乃依瑠はアホの子である。
「お客様パスポートはお持ちですか?」
「いやいや俺達顔パスでしょ?」
成田だか羽田の空港で乃依瑠は南スーダンに行くためのチケットを買おうとして止められた。手ブラ&金無し&パスポート無しの乃依瑠を入れてくれるゲートは何処にも無く、乃依瑠は「都会は冷てーな……」と故郷の福島が恋しくなった。
「オラァ!! 約束通りカバディ勝負すっぞゴラァ!!!!」
「…………」
約束の日になり、サングラスの男達がカバディ勝負を仕掛けてくる。乃依瑠は仲間達を引き連れ集まったものの、手に紙袋を下げている。
「……ほらよ」
「アァン!?」
サングラスの男に紙袋を手渡す乃依瑠。そこには東京銘菓の『ひよこ』が入っていた。空港のお土産コーナーで見つけた乃依瑠が一目で気に入り買っていたのだ。
「可愛いだろ?」
「うん♪」
こうして、ヤンキー達は一緒にひよこを食べて仲良くなった…………
結局カバディに精通する必要も無く南スーダンの情勢を知ること無く書きました。ナマコ先生は正しかったです。ただ僕はそれを伝えたかった。
(*´д`*)




