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終わっちゃったかもしれません
「…………」
もう、なにもできない…。元気が出ないの…。冷たい風がピューピュー吹いてて、もうすぐ冬がくる。そろそろ、終わっちゃうのかな。
「………?」
何かが、くちびるに触ったよ。目をうっすらと開けると、目の前には茶色くて四角いものを持った、女の子がいた。
「食べる?」
「………!」
女の子がくれた、四角いものを思いっきりほおばった。久しぶりの普通のごはんで、思わずなみだが出てきちゃった。
「おいしい?」
「うん!」
かためたパンみたいな味だったけれど、道ばたの草よりはずっとずうっとおいしかった。ごはんをくれた女の子はにっこり笑ってくれた。
「…ねえ…君、家族は?」
「居ないよ。」
「…じゃあ、お家は?」
「それも無いよ。」
どうしよう、悲しませちゃったかな。
「でも、リリは平気…」
「なら、家族にならない?」
「え?」
女の子が全然違うみためになって、それでも女の子で。
「…おいで。一緒に住もうよ。」
「いいの?」
「もちろん。私の家。大きいんだ。」
終わっちゃったかも。リリの、一人ぼっちの生活。