知識は必要らしい
「ケホ…ケホ…うう…」
具合が悪いよ…何か変な物でも食べたかな 。心当たりがありすぎるよ。どうしよう、このまま死ぬのかも…
「…?」
白い花がある。何だかこのお花が好きだ。
「パリパリ…」
花の部分は美味しかったけどね、飾りの為に植えてある見たいだったから、一個で我慢した。あれ?治った?さっきまで気分が悪かったのが嘘みたいだ。でもなんでだろう?
「まあ、貴方もこの花が好きなの?」
「にぇ!」
びっくりした。いつの間にか後ろにおばさんが居た。
「今の子は、やれ戦車だとか、やれ銃だとかに夢中だからねぇ。貴方みたいな子は珍しくってね。」
「こ…こんにちは…。」
知らない人に話しかけられたら、次には痛いことされるのになてっちゃって、何だか変な気分だ。髪留めを
くれた人はきっと特別。
「ごめんなさい…一個食べちゃった…。」
「食べたぁ?あっはっはっはっは!貴方、相当お腹が空いてたみたいだね!この花はね、ククリックって言う、漢方薬にもなるんだよそれを、本当に食べたのかい?」
「ごめんなさ…」
「良いんだよ。どうせ誰も見ないんだし、この花も喜んでるよ。」
おばさんは立ち上がって、どこかに行く。
「じゃあね。綺麗な野花ちゃん。貴方ならきっと強く生きれるよ!」
「あ…」
何だか、不思議な人だったな。
「クチュン!」
そうだ、今日は凄く寒い日だった。何とかしないと凍えちゃう。ああ、あったかい暖炉があればなあ…。そうだ!
「よいしょっと。」
捨てられて木材とかを集めて、ここから少し離れた、人のあんまり居ない路地みたいな所に持って行く。
「シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ…ボオ…」
「やぁ…!」
やった、付いた!火がついた!あったかいなあ…。それに、建物は石で作ってあるから、燃え移ったりもしない。
「チチチ…」
あ…ネズミだ。そうだ!今度こそは!
「ブス!」
前はそのままだったからいけなかったんだと思う。
「パチパチ…」
よし、そろそろ焼けたかな…皮と骨と、あと食べれない所を取ってっと。
「パリリ…ムシャムシャ…」
うん!美味しい!久し振りにまともな物を食べた気がした。