表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野花  作者: グレオちゃん
1/4

運は実力のうちらしい

霧のかかった寒い朝。

「クシュン…」

リリには、おうちが無い。家族も、家族みたいに大事な人も居ない。ううん、いなくなっちゃった。お空に飛んでた飛行機から、鉄の粒が落ちて来て、みーんななくなっちゃった。

「うう…お腹すいたぁ。」

リリが今持ってるものなんて、、今着てるボロのワンピース一枚だけだね。歩道のはじっこが、リリのベッド。最初は恥ずかしかったけどね、2ヶ月この暮らしで、もう慣れちった。したらね、男の人がリリに話しかけて来た。

「ん?こんな朝から、こんな所に居たら危ないよ。」

「ううん…大丈夫。」

「そう?でも…」

男の人は、リリの事をじっと見る。

「ああ、君の居場所はここなんだね…ごめん。」

男の人はどこかに行こうとした時、ポッケを探り始めた。

「そうだ、これ。」

「?」

男の人の手には、髪留めがひとっつ。にっこりお顔の飾りが付いてる。

「にっこりさんって言うんだよ。」

「へえぇ〜。」

「これ、君にあげるよ、お詫びだ。」

「ほんとうに?ありがとう。」

男の人はリリに向かって、にっこり笑ってくれたあと、どこかに歩いて行っちゃった。また会えるといいなぁ。リリはその髪留めを付ける。そうだ、お腹がすいてた事を忘れた。

「ガサゴソ…ガサゴソ…」

「はあぁ…」

ゴミ箱を探っている時が、一番辛い気持ちになる。早く慣れちゃわ無いといけないのに…結局、今日の朝ごはんは、何かのお野菜の皮と、缶一杯分のお水、あと黒くておっきな虫さんを一匹だった。

「ふう。」

地べたに、横になる。あんまり動くとお腹がすいちゃうから、ここでじっとしてるのが一番。

「くすん…」

一人ぼっちは寂しい、それに、こんなことになるんだったら好き嫌いしなきゃ良かったな。会いたいよ…お母さん…また、美味しい物作って欲しいな…。また、ぎゅーってして欲しいな。あと、もう一回だけでいいから、お母さんに会いたいよぉ…

「うええええん…えええええん…」

「ん…?おい!」

「ひ!」

「お前か!うちのゴミ箱あさってたの!」

怖そうな男の人が出て来た。きっと軍人さんだ。

「ごめんなさ…」

「覚悟しろよテメエ!」

「うわ!」

結局、血が出るほどボコボコにされちゃった…

「もう二度とうちに近ずくな!分かったな!」

「ケホ…コホ…うう…」

やっぱり、泣いたって良いことないんだね…うう、痛い。足を引きずりながら、その路地を出る。こんなに痛いこと、もう無いと良いなぁ。

「へえ…へえ…ふう…」

思いっきりお腹をパンチされたみたい、息が苦しい…これからは、ゴミ箱をあさるのはやめよっと。虫さんとか、そこら辺に生えてる草とかでガマンしよっと。

「…」

良いのかなぁ…?見た目はあんまり変わってないけど、だいぶ痩せちゃったんだよ?このまんまじゃ死んじゃうかも…。

「チチチ…」

「あれ?」

リリの右手の方に、足を怪我しちゃったネズミさんがいる。あれ…?もしかしたら…

「ゴクリ…」

「チチ…」

リリは思い切ってそのネズミさんを食べてみた。いただきます…

「バリ…バリバリバリ…バリバリ…」

すっごく美味しくないし、食べにくいし、硬いけど、お腹がいっぱいになった見たいだった。ごちそうさま…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ