表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/186

道中の人々

カイ達の乗った走空車グエル捜索の為、ディンカ達三人とロインは走空車グエルに乗り込んだ。


操縦席に座るスタンが走空車グエルの点検をしながら訊ねた。

「ロインさん。スコルナ領はどの方角にありますか?」

彼は真直ぐスコルナ領へ進むつもりの様だ。


「ちょっと待って、スタン。」

ここへ来てあまり意見の無かったバハルがスタンを引き留める。


「まっすぐ向かうのは得策とは思えないわ。

途中の村や町で走空車グエルについて尋ねてみれば?」


バハルの提案にディンカが同意する。

「そうだな。ロインさんがいると言っても、“知らぬ存ぜぬ”で通されないとも限らない。

やはり、カイさんの乗る走空車グエルの足取りを押さえる必要があるな。」


ディンカ達の話を聞いたロインが

「ですが、ハロルド様やカイ様に何かあれば・・・。」


「現状カイさんやハロルド様がどうなっているかは判らない。

でも、だからこそ、彼らの足取りを掴むことが先決なのです。」

と、ディンカは言い切った。



サーバル領からスコルナ領までの道中にはいくつかの町や村が点在している。

町や村の間には麦畑や野菜畑が広がっており、時々そこで作業をしている人々が見える。

穀倉地帯の様によく肥えた土地ではないが、領内の生活に困らないぐらいの生産性は有るとロインは語った。


走空車グエルが上空を通ると彼らは一様にこちらを見上げている。


「俺達が通るとこちらをよく見ているな。

確かに走空車グエルは珍しいがどういうわけだ?」

操縦しながら外を見ていたスタンが疑問を口に出した。


「それは、この地方には時々ドラゴンが空を飛ぶことがあるからですよ。」


「「「ドラゴンだって?!」」」

ロインが言ったことに三人とも驚く。


「たしか、サーバル領の近くのシラアエガスにはドラゴンが住むと言われていた様な・・・。」

バハルがシラアエガスの話を思い出した様だ。


「はい。実際、住んでいるのです。」


ロインの話によると、シラアエガスに関して世間で話されている通り、ドラゴンが住んでいる。

それだけでなく、雪エルフの里もあるし、雪男スノーマンもいるらしい。


そして、住んでいるドラゴンだが、一匹ではない。

シラアエガス頂上付近ではドラゴンの住処があると言う。


「そんなわけで、時々ドラゴンが飛ぶこともあるのです。」


「でも何故、ほとんどみんな空を見上げるのだ?」

ディンカの言う通り、ドラゴンが時々飛ぶだけでは説明できない。


「ドラゴンは飛んだ時に背中についた氷や鱗を落とすことがあるのですよ。」


ドラゴンの体は大きいだけあって、その体から落ちる氷や鱗はかなりの大きさになる。

それが当たれば大惨事だし、落ちてくる氷や鱗はひと財産なるのだ。


だがら、空を見上げる様になったのだと、ロインは説明した。



「でも、空を見上げる癖があるなら好都合じゃないか?」

ディンカは皆にそう言った。


「カイさん達の乗った走空車グエルを見ている可能性が高いじゃないか。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ