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魔導士は辺境でスローライフを目論む・・・が?

「見事なくらいに割れているな。」

ドレッドが割れたダンジョンコアを見てそう言った。

彼の言う通り、ダンジョンコアは半球状に二つに分かれている。


今回、コアが半球状に分かれたことで今までにない大きさの精霊石が作れるようになった。

精霊石が大きくなればもっと出力を必要とする物が作れる。

だが、コアを参加ギルドで等分にすると大きな精霊石を作ることが出来ない。

その為、カイ達は様々な条件を考慮し提案した。

ドレッドも協力してくれたおかげで、参加ギルドには報酬の走空車グエルを追加する事で話がついた。

それがカイの仕事を増やすことになるのは別問題である。


「コアの処理は助かりました。」

「魔導士殿、貴殿の力になれてよかったと思うよ。」

ドレッドは姿勢を改めると

「それはそうと、魔導士カイ殿。貴殿に話がある。悪い話でないと思うが・・・」




カイ達はドレッド達、Sランクギルドの冒険者を見送った後、リモーデへの帰路についた。

その車中で、

「ところでカイ。グレンデルの攻撃を受けたのは何故だ?」

復讐の指輪アベンジャーリングの効果を見ていたスタンにとっても疑問らしい。

他にも何か聞きたいようだ。


「・・・どんな魔道具でも瞬間的に効果が発揮するわけではない。」

「と言うと?」

「復讐の指輪アベンジャーリングの場合、衝撃の吸収、精神力吸収、呪文の発動、と言う順番に効果が発揮される。」

「?効果が出るまで時間がかかるという事か?でも、復讐の指輪アベンジャーリングは早かったような???」

「瞬きよりも早い、極わずかな時間だから早く思えるのだよ。

グレンデルはその極わずかな時間に二回目の攻撃をしてきた。」

「うーん。人間に出来そうにないな。」

「あれは魔物だから出来たのだろうね。」


「その魔物もとんでもない物を残していったにゃ」

「沼、汚染、心配」


ダンジョン近くに出来た瘴気の沼は浄化されずにそのまま残ってしまった。

雨が降ると汚染された水があふれ川に流れ込む。

こればかりはどうすることも出来ない。

汚染された水が川に混ざる為、下流にある穀倉地帯に影響は出ると考えられている。


「輝くシラギリスの森が近くにあるから、徐々に沼は小さくなるだろうけど、

何年かかるか・・・。」

「とは言っても、それは我々が心配する事じゃないにゃ。」

「辺境伯に期待するしかないか。」

「そう言う事にゃ。」



「お、リモーデが見えて来たぞ。」

走空車グエルを操縦していたディンカがみんなに言った。


「そういえば、カイ。

ドレッドからフェールズに戻ることをすすめられていたのを何故断った?」

フロームは核心を付く質問をしてくる。


傍で、ルリエルやヴァニア、スタン達がかたずをのんで見守っている。


「何故と言っても、そもそもリモーデへはスローライフを目的に来たのだが・・・」


「「「「スローライフ?」」」」


「ああ。王都の喧騒に思うところがあってね。

でも、こっちへ来てもスローライフになっていないような・・・仕事を増やしているつもりはないのだが。」


「「「「「・・・・・」」」」」


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