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魔導士の方法、その3

スタンは走空車グエルを駆り、ダンジョンの中を猛スピードで駆け抜ける。

今まで一番、走空車グエルを走らせてきただけあり、その運転には目を見張るものがある。

そんな彼でも所々にぶつけながら駆けざるを得ない。

直ぐ真後ろにグレンデルが迫ってきているのだ。


「マディェ!マデェ!オレザマノイジヲカエゼェ!」


「ちっ。スタン!追いつかれる!!もっと早く出来ないのか?」

「無茶を言うな、フローム。これでも精いっぱいだ。」


今でも壁をこすりながら走っている。

これ以上の速度だと曲がり角を曲がり切らずに壁と激突するだろう。


「もう少しで出口なんだが・・・追いつかれそうだ。」


「なら俺が行こう。」

とフロームが志願する。何か策がある様だ。

「ついでに前唱えてもらったあれ、声が伝わるやつとか。」

伝達ウィスパーか!」

フロームに催促され伝達ウィスパー強化ストレングス衝撃吸収アブゾーブを唱える。


「それじゃ、ちょっと行ってくる。」

そう言うとフロームは猛スピードで動く走空車グエルから飛び降りた。

軽く着地すると同時に横道に入る。


その横道をグレンデルが猛烈な勢いで通り過ぎたその時!


ドタッ!


グレンデルは何かに足を取られて転んだ。

フロームの仕業だろう。

流石は斥候スカウト遊撃士レンジャーと言ったところか。


その援護もあってグレンデルに追いつかれることなくダンジョンを脱出した。



だがそのまま真直ぐ進んではキャンプに誘導する事になる。

あそこには戦闘力の無い商人も来ている。


「スタン!このままだと攻略キャンプにグレンデルを誘導してしまう。」


「!!じゃあ、どっちへ向かう!」


「右だ。沼地を少し突っ切ろう。」


(後は、ドレッドさんたちとの連絡か・・・このままではコアを割ることが出来ない。)

カイが考えていると、フロームから伝達ウィスパーによるメッセージが届いた。


{こちらフローム。今ダンジョン入り口で待機。グレンデルはそちらへ向かった。

ドレッドチームが脱出したら連絡する。}


{了解。どのくらいの時間が掛かると思う?}


{10分と言いたいが。20分はかかるかもしれない。}


カイは気合を入れ直し

「よし!スタン。20分粘るぞ!」

と号令を発した。


「了解っ!」

スタンは返事と同時に走空車グエルで複雑な動きを行い、グレンデル翻弄する。


「グレンデルはまだ追いかけて・・・来るか。」


「グオォォォォォ!」

グレンデルはさらに吠えた。

その声が辺りの瘴気をかき乱す。


沼を横断するが、それを物ともせずグレンデルは追いかける。

岸辺の枯れた大木を避けようとした、その時。


ガクン!


「どうした!?スタン、速度が落ちているぞ!?」


「判らん!急にいう事を聞かなくなった!」


走空車グエルはふらふらと動きながら枯れた大木に衝突した。

大きな衝撃は無かったが反動で後部ドアが開き、割り機がコアごと外へ滑り落ちる。


ドサッ!


グレンデルの目の前にコアが落ちた格好だ。


「不味い!!炎の業火よ!焼き尽くせ!火炎球ファイアーボール!」


カイは轟々と燃えさかる火炎球ファイアーボールをグレンデルに叩き込んだ。


ドゴォウォーン!!


グレンデルは爆炎に包まれるがダメージを受けている様子はない。


「どうしたデカブツ!こっちだ!」


「敵を穿て!光雷弾エネルギーボルト!!」


九本の雷の矢がグレンデルに降り注ぐ。


ドドドドドドドドド!


「グヌォ!ヒギョウナ!マホウチュガイ!!」


グレンデルは右手を大きく振り上げた。

それを見たカイはにやりと笑う。

カイに吸い込まれるグレンデルの拳。


(良し!この一撃で相手を再生させ・・・)


次の瞬間、カイは左に吹き飛ばされていた。


(な、ん、だと!!)

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