魔導士の方法、その2
「ゴォゥ!!」
グレンデルが吼えこちらを睨みつける。
間違いなくグレンデルはこちらに気付いている。
「不味い!走れ!」
カイの号令と共に駆けだす一同。
その行動と共に透明化が解除される。
「ミヅケダァー。」
「グレンデルを近づけるな!全員防御!」
ドレッド達は大盾を構えて防御姿勢を取り一歩も動かない。
だがそれが逆に仇となった。
ダン!
「俺達を!」
「踏み台にしたっ!」
グレンデルはドレッド達を踏み台にし、カイ達の横に降り立つ。
「ソデハ、オデさまのモノダ!」
棍棒を振り回し接近してくる。
「不味いぞ!このままじゃ追いつかれる!」
「諦めるな!まだ捕まったわけじゃない!」
「マヅハ、イッピキ!!」
グレンデルの巨大な棍棒がルリエルを叩きづぶそうとする。
「危ない!」
咄嗟に庇うカイ。
ガイン!ドバッ!!
カイに振り下ろされたはずの棍棒は逆にグレンデルの腕を叩き潰した。
「イデェ!イデェヨゥ!!」
「こんなこともあろうかと着けておいてよかった。」
そう言ったカイの手には復讐の指輪が着けられていた。
「っ!!」
カイの体がぐらりと揺れ、気を失いかける。
「カイ、これ飲む!」
ルリエルはカイの口に精神回復薬を流し込んだ。
「あぶない、危うく気を失いかけた。」
カイはグレンデルの方を見ると
「流石に腕一本じゃ再生が遅いな。」
「よしこのまま抜けるぞ!」
急いでボス部屋を抜ける。
入り口には走空車が横付けされスタンが運転席で待ち構えていた。
「遅かったな、後ろを開けといた。」
カイ達は急いで割り機を走空車の中に入れ乗り込む。
「よし急いでくれ!」
「グファ!ニガザナイ!ニガザナイ!」
グレンデルがコアを求めて追いかけてくる。
「無駄だ!その入り口はお前には狭す・・・」
「!!スタン!急いで走空車を出してくれ!!」
入口を拡張したがグレンデルでは通れない大きさにはしたはずだった。
だが、片腕を無くしたことで体が小さくなり、入口を通る様になっていたのだ。




