表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/186

魔導士の方法、その1

カイはテントにあるテーブルに広げられた地図を前に説明を始めた。


「まず、このダンジョンの通路ですが、走空車グエルが走る為の幅が十分にあります。」

「そうだな、俺達もボス部屋までは走空車グエルを使っている。」

「という事はボス部屋までのルートと時間は?」

「ルートは少し複雑だが時間は・・・10分ぐらいか。」

「10分か・・・部屋の大きさが50m四方、ただ部屋の入り口が少し狭い。

少し広げることは出来ますか?」

「広げる?どのくらい?」

「一回り大きく。」

「だが、あまり大きくできんぞ、広げすぎると奴が出てくる。」

「それだけあれば十分です、その次に・・・」



二時間後、カイ達は走空車グエルでボス部屋の前まで来ていた。

ボス部屋の入り口は一回り大きく開けられ走空車グエルが通ることが出来る。


「大きさはきっちりした物ですね。」

「とうぜんよ。内の魔術師の腕がいいのよ。」

とビートルスキンのマスター、ラズが答える。

黒いローブの間から見える真っ赤な服は体にぴったりとフィットする物で

そのわがままボディとも言える肢体を覗かせている。


(チラチラ見える分、実にけしからん。女マスターはスタイルのいい人が多いな。)


「カイ。よそ見しすぎ。」

「イエイエ、ルリエルサン、ソンナコトハアリマセンヨ。」


ルリエルはカイやフロームと同じ班分けで特殊作戦を遂行する。

他の人員はボスを引き付ける役だ。


「よし、準備は良いか。」


「「「「応!」」」」


「全員突撃!!」


「「「「おおおおおおおおおおおおお!」」」」


金属鎧と大盾と言う、重装備に身を固めたドレッドたちがボスに突撃する。

その後ろから、同じ様に金属鎧に盾の重装備の僧侶クレリックが補助をする。

防御を重視している為の重装備だ。

これは死なない為の編成であり装備だ。


「グファグファ。オデさまはサイキョウデムテキダ。ナンニンキテモムダゥアダ!!」


巨人、グレンデルが棍棒を振るう度に前衛の一人がノックバックされる。

だがその隙間は後ろに待機している予備員がすかさず埋める。


「よし。頃合いだ。フローム、煙幕だ!」

合図と共に煙幕が撒かれる。


「ルリエル!」

「精霊よ!我らの姿を隠したまえ。広域透明化インヴィジブルフォース


ルリエルの呪文と共にカイ達の姿が消え見えなくなる。

グレンデルとの戦闘を続けるドレッド達の横を静かに通り抜け奥の部屋を目指す。


「予想通り、ダンジョンコアだ。」

「おい、ダンジョンコアに触れるとダンジョンに取り込まれて・・・」

フロームが疑問に思ったのか問いかけてくる。

「それはダンジョンマスターがいない場合ですね。」

「いない場合?」

「ええ、ダンジョンコアは生物が触れるとその者をダンジョンマスターに変異させます。」

「そうだな。だからコアに触れるのはダンジョン探索においてタブーとされている。」

「でもそれは、ダンジョンマスターが現れる前までです。」

「?」


「ダンジョンマスターはダンジョン一つにつき一人しか存在しないし、出来ない。」


そう言うとカイはダンジョンコアに手を当てた。


「お、おい!!」


「大丈夫です。この様に取り込まれることなく触れることが出来ます。」

そう言うとカイは鞄から大きなくるみ割り機こと“ダンジョンコア割機”を取り出した。

カイ達はダンジョンコアを割り機にセットし固定する。

割り機は走空車グエル製作の過程に出来た浮き板フロートボードに載せ浮かせている。


「地上に運び出します。ここでは使えませんがゆっくり運び出します。」


「前方、煙幕が薄れつつあり」

フロームは斥候らしく前方の状況を説明する。


「精霊よ!我らの姿を隠したまえ。広域透明化インヴィジブルフォース

再び、カイ達は透明化する。


(よし、ゆっくり歩くぞ。)


だが、コアが奥の部屋を出た瞬間、


「!!!ダデガイル?」

グレンデルはコアが奥の部屋から出ると気付いた様だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ