エピローグ
飛び散った破片の中をカイはゆっくりと降り立つ。
「凄い!あたしの斧でさえ歯が立たなかったコアがバラバラだ!カイ!やったな!」
バハルはそう言うとカイとハイタッチをする。
「凄いです。ここまで大きな破片が取れたのは初めてです。」
ニライも絶賛のようだ。
「カイ、命中補正、呪文?」
(カイ、命中補正の呪文を使った?)
ルリエルの言葉に対してニライが
「命中補正?初級呪文の?初級呪文はコアに使えなかったと思いましたが?」
初級呪文は習得難易度が低い分、魔法の強さ、抵抗を突破する為の魔力強度が低い。
その為、抵抗力の高い相手に効果が出ないことが多い。極めて抵抗力の高いダンジョンコアには通用しない呪文なのだ。
「命中補正はコアに使わず台に使った。まとめて壊すなら同じだしね。」
コア自身でなく、コアが置かれている台に呪文を使う。その事で抵抗もなく効果を出すことが出来たのだ。カイは解説を続ける。
「後、使用したのは“射撃補正”“剛性強化”それぞれ投擲に対する補正だね。」
カイ曰く、初級呪文でも使う方法、場所を考えさえすれば魔力強度が低くても使えるのだそうだ。
「素晴らしい、魔導士、呪文、エキスパート」
(その使用方法は実に素晴らしい。魔導士は呪文のエキスパートなのですね。)
ルリエルは目を輝かせながらカイの手を握った。
「は、はい。どうも」
ルリエルに手を握られドキリとするカイだったが、すぐに首を振り自問自答する。
(手が小さい・・・おっと、ルリエルさんは感動して思わず手を握ってしまっただけだ。それにだ、話しかけてくるのはエルフ語を理解できる人が少ないためだからだ。自重せねば、輝かしいスローライフの為にも!!)
「・・・こほん」
バハルがワザと咳払いをしてにやにやしている。
「まぁ、お二人さん仲が良いのは良いのだけど、この後どうする?」
カイは慌ててルリエルの手を放す。
「私はコアを壊したことが無いため、どう処理するか判りません。ギルドに報告に行くのでしょうか?」
バハルは腕を組み、少し考える。
「そうだね。今まで幾つか壊したことはあるけど、外で壊したのはあたし達も初めてなんだ。これは現状を維持してギルドに報告した方が良いかな。」
今後の為、壊したコアは回収せずギルドへ報告することとなった。




