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フィリア驚愕する

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい?!」


 ハウメアの“我を崇めて見ないか?“の言葉にフィリアは驚きの声を上げた。

 無理もない。

 リヒトファラス王国には太陽神ベレーヌを崇めるベレーヌ教の聖都ソルが存在する。

 その為、王国の半分以上がベレーヌ教徒であると言っても過言ではない。

 ベレーヌ教はリヒトファラス王国の国教ではないが、ほぼ国教と言っても差し支えなかった。


「なんじゃ?素っ頓狂な声を上げて。我を……いや、我らを崇めるのがそれほど驚く事かの?」


 ハウメアは少し不機嫌そうな顔をして優雅に首を傾げた。

 その姿は何処かの国の女王が部下の誤りに疑問をはさむ時にする態度の様である。


「あわあわあわ、け、決してハウメア様を崇めるのが嫌だと言っているのではありません。私はその……。」


「その?」


 フィリアはゴクリとつばを飲み込む。


「わ、私はこれでもベレーヌ教の教徒です。確かに、あまり教会には行っていなくて熱心な信者とは言えませんが違う神様を崇めるのは何かと問題があると思うのです。それに竜と人間じゃ加護も違うと思うのです。」


 そう言ってフィリアは上目遣いにハウメアの方を見た。

 ハウメアはフィリアの言葉を聞いて少しきょとんとした顔をしている。


「……確かにそなたの言う通り、竜の姿・・・で与える加護と人の姿・・・で与える加護は異なる。」


「?姿?」


「うむ。我が加護を与える場合、この姿では加護の効果は竜の姿で加護を与える場合の半分以下になる。」


「はぁ……でも私が信仰しているのはベレーヌ様なのであまり関係が無いような……?」


 ハウメアはフィリアの言葉に少し驚いたような顔をしたがすぐに納得したような顔になった。


「そう言えば、あ奴は人前では人の姿じゃったな。」


「あ奴?」


「ああ、フィリアよ。お前の言うベレーヌの事じゃ。ベレーヌはわしと同じ始原竜、黄金竜じゃぞ?」


 一瞬の沈黙が部屋に流れる。


「はぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 フィリアが少し口を開けたまま驚きの表情になった。


「やれやれ。その辺りもきちんと説明する必要があるか……。はるか昔、まだ人もエルフ、ドワーフも幼かった時代。この世界には数多の悪しき者達、所謂“悪魔”と言う存在とそれを統べる邪神がいた。と言う話は知っているか?」


「はい、創世期の話ですね。ベレーヌ様を筆頭とする十二柱の女神たちが邪神を倒し世界に平和をもたらしたと言う……。」


 ハウメアはフィリアの話を聞き左右に首を振りながら軽く溜息をついた。


「はぁ。やはりその程度か。まぁ、人間やエルフ達に話しても通じない部分が出るから仕方が無いのかねぇ。少し長くなるが構わぬよな?」


 ハウメアはそう言うとフィリアに語り始めた。

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