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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
王国動乱

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リモーデの危機 その4

カイ達の乗る飛行船レヴィキア“メルカバ”はエルフの工房で劇的な改造を施されていた。

白竜との会談によって得た知識。

大気中に存在する魔力の元、“マナ”を集める為の装置“マナ・インヘイラー”が取付けられた。

これにより余剰に吸入されたマナは飛行船レヴィキアの速度上昇と攻防力向上に回された。


改造された“メルカバ”は後部に付けられた尾翼が大きく強化され、その先に二つ割された“インパルス”が取付けられた。


二つ割された“インパルス”は推進用の魔法陣と通常攻撃用の魔法陣が組み込まれており、“メルカバ”の速度と攻撃力を向上させている。


“インパルス”の格納庫であった後部発着場は改造され防御用のシールドを展開させる魔法陣と周囲を索敵する為の魔法陣が組み込まれた。


生まれ変わった飛行船レヴィキア“メルカバ”は“メルカバⅡ”と呼ばれ、その最高速度は時速200kmに達する。

通常の攻撃武器として、魔道砲の小型版が四門搭載された。

この小型魔道砲は艦首のものと違い溜め撃ちの時間が短い分、威力は低い。

威力は低いと言っても並の魔術師の攻撃以上の攻撃を繰り出すことが出来、射程も長く500mである。


艦首の大型魔道砲に関しても改造が加えられた。

魔道砲自体の効率の他、発射時に発生する轟音と閃光の対策である。


改造は僅か一ヵ月と言うごく短い時間で成し遂げられた。

これはエルフ達の協力もあっただけでなく小型走空車グエルである“インパルス”を二機搭載していたことも大きい。



その飛行船レヴィキア“メルカバⅡ”はサーバル領上空でスコルナ軍と睨み合っていた。


いや、スコルナ軍が一方的に攻撃を加えていたと言う方が正しい。


その攻撃も魔法師による遠距離からの呪文であった為、最新鋭の飛行船レヴィキア“メルカバⅡ”に傷一つつけることは出来なかった。

全て“メルカバⅡ”の周囲に張られた“シールド”の効果で弾かれている。


「くそっ!

あの白い走空車グエルは化け物か!!」

スコルナ軍の走空車グエルで呪文を詠唱する魔術師が叫ぶ。


“メルカバⅡ”の周囲を飛ぶスコルナ軍の走空車グエル三台。

それぞれが“メルカバⅡ”の周囲を飛び回り、呪文を発射する。


スコルナ軍の走空車グエルは長い箱型で、全面に金属板が張られ防御力を上げている。

外を見る為の開口部も小さく視認性が悪い分防御力を上げている格好だ。



事の起こりは単純である。

カイ達がエルフの国からリモーデへ帰る途中でサーバル領に立ち寄った所、スコルナ軍に発見されたのである。


一台でも多くの走空車グエルを集めようとするスコルナ軍は当初、走空車グエルの発明者であるカイとかかわりの深いサーバル領へ走空車グエルの調達にやって来たのだ。


サーバル領ではカイから送られた貴族用の走空車グエルが存在していた。

だが、その走空車グエルは領主が領内を見まわる為に使っており、とても貸し出したり献上したりするほど余裕があるものでは無かった。


ただ、スコルナ軍は“余分な走空車グエルがあるならば貸し出す“との約束を取り付けて帰ろうとした。

だが、間の悪いことにスコルナ軍が帰ろうとしたその時、カイ達がサーバル領へやって来てしまったのだ。


“メルカバⅡ”を見たスコルナ軍は予備があるではないかと、“メルカバⅡ”を差し出す様に要求した。


だが、“メルカバⅡ”はカイの所有物であってサーバル領の所有物ではない。

そう言って拒否するが、スコルナ軍は取り合おうとせず実力行使に出た。


その結果が今の現状。


“メルカバⅡ”の周りをスコルナ軍の走空車グエルが飛び、“メルカバⅡ”をけん制する。

その結果がスコルナ軍からの魔術による攻撃なのだ。


「スコルナ軍の魔道兵器では“メルカバⅡ”が対処できないのは判るのだろう。

この敵さんを安全に追い返すにはどうしたらよいのだろうか・・・?」

カイはスコルナ軍の走空車グエルを追い返す方法に頭を痛めるのであった。

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