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白亜の試練 その4

翌翌日、カイ達の一行はブゥの弟フゥの馬車で村から近い町、ネストにやって来た。

ネストは四方を石壁で囲まれた町で様々な人々が暮らしている。

大きさもリモーデよりも大きく立派だ。

フゥの馬車のおかげで町の門で止められることは無かった。

彼はどうやらこの町ではなじみの者らしい。


「んじゃ、オデは小麦を商会に届けるダ。

アンさんらも気いつけてな。」

と言ってフゥは商会へ向かった。


「じ、冗談かと思っていたら・・・本当に“ベレス”にある“オーキス”なのですね。」

とアイナリンドは驚きのあまり声を震わせていた。


ベレス大陸

カイ達の住むリモーデがあるルブルス大陸、エルフの国、エルダートがある大陸、リマンジャ。

その南に位置する世界最大の大陸である。

大陸には大小さまざまな国家がひしめき合い、覇を競っている。


その中でも、太陽神 ベレーヌを唯一神とする神聖ベレーヌ帝国と獣人の国ビブラ王国が二強とされ、常に反目している。


その間に挟まれた小国の一つ、オーキス王国が今いる場所なのだ。


「オーキス、驚き・・・。」

「ここは本当に?」

ルリエルもフィリアも驚きを隠せない様だ。


「季節も日付も扉をくぐる前とは変わりない。

やはり、あの扉は転移門だったと考えるべきか・・・。」

カイはこれまでの経緯やオークの村での情報を元にそう判断した。


「それにウゥさんの家と同じ様にレンガ造りの家が多いのですね。」

フィリアが町の家々を見てその様な感想を述べた。

町はレンガと白漆喰で構成され、鮮やかな空の青と壁の白のコントラストに目を奪われる。


「漆喰やレンガが一番安上がりなのだろうね。

この町に来るまでは平地が多かったからな。

森も少なかったし。」

ネストの周囲には見渡す限りの麦畑が広がっている。

木材が取れる森は目に付くところには存在しなかった。


オークの村では村長のウゥが白漆喰とレンガ造りの家に住んでいた為、地位の高い物が住む家と考えたが、ここでは違う様だ。


「カイ殿。この後どうしますか?」

アイナリンドは気を取り直しカイに尋ねた。


「そうだな。どこかに宿を取って聞き込みと、アルベティ・・・は王国の組織か。

それに近い組織は無いかの聞き込みかな?」

カイが今後の方針を提案する。


「確かオーキスには冒険者ギルドは一つしかなく、王国のアルベティはそのギルドと提携しているといった話があったかと思います。」

とフィリアが話す。

オーキスのギルドは王国のギルドと違いダンジョンでの生産活動を主にしていない。

ダンジョンが出現しても直ちに攻略される。

これはベレス大陸が広い為と国同士が反目している為、見つけ次第潰さないとダンジョンでの大増殖スタンピード対応できない為だ。


「では時間があるし、まずはネストの冒険者ギルドへ向かうか。」


「「「はい。」」」




ネストの冒険者ギルドはギルド、“リムスキレット“の本部よりも大きく、リモーデのアルベティ支部と同じぐらいの大きさがあった。

フィリアが話していた通り王国のアルベティとは提携されているおかげで、ギルドカードがそのまま使用できた。


カイ達は少なからずの情報を収集した後、ギルドの依頼掲示板へ向かう。

しばらくネストに滞在することになるかもしれない。

ある程度の宿泊費は稼いでおく必要があった。

飛行船レヴィキアから降りる時、冒険者用の大掛かりな装備を置いてきたためだ。


冒険者用の依頼掲示板らしく、薬草収集から始まり、希少植物の収集、魔獣退治等、様々な依頼が張り出してあった。

その中の一つにカイの目が止まる。


「なぁ、皆この依頼・・・。」

カイが一行を呼び寄せる。


「虹色ホロホロ鳥の狩猟採集ですか。

ホロホロ鳥は音に敏感で、すぐに逃げます。

この依頼が何か?」

アイナリンドはカイに尋ねた。


「ちょっとそのホロホロ鳥の狩猟場所の森が気になってね。」

カイがそう言うと一行は依頼書に書かれている狩猟場所を見た。


「「「これは!」」」

「うん、この狩猟場所はオークの村の近くだ。

この狩猟場所には何かあると思わないか?」

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