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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
魔導士はエルフの大森林を見た!

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あの飛竜を撃て!

ニナイが見つけた黒い影は飛空船レヴィキアを威嚇する様に蛇行しながら近づいて来る。


黒い影を見てスタンが


「あれは飛竜ワイバーン!!

不味い!!ディンカじゃ荷が重い。

操縦席へ行ってくる。」


そう言うと慌てて食堂を飛び出していった。

ニライの声でフィリアも


「すぐに、カイさん達に連絡しないと!」


と言って後部発着場が見える窓を開けてカイを呼ぶ。


「カイさん!大変です!!飛竜ワイバーンが来ています!」


後部発着場ではカイが旗を振り“インパルス”に乗るフロームに合図を送っていた。

その隣ではルリエルが飛空船レヴィキアと“インパルス”の位置を確認しながらカイに伝えており、カイはその言葉に従って旗を振っている。

どうやら着陸の合図のようだ。


フィリアの声を聴いたカイは手あげて了解の合図を出す。

カイが頭上で旗を丸く振るとフロームの乗った“インパルス”が発着場に着陸する。

ほどなく、“インパルス”は他の機体と同じ様に発着場に係留された。




操縦席にはカイ、スタン、ディンカ、フローム、ルリエルの五人がつめかけていた。

フィリア、バハル、ニライの三人は別室に避難している。

飛空船レヴィキアは速度を落としゆっくりと渓谷に近づいて行く。


飛竜ワイバーンはこちらに来ませんね。

この船の前を行ったり来たりしている。」

飛竜ワイバーンの様子を観測していたフロームがそう報告する。


「威嚇、だな。」

「ディンカ、威嚇なら“インパルス”を収納する必要はあったのか?」

フロームがディンカに聞き返す。


「“インパルス”の大きさだと、飛竜ワイバーンの獲物になる。」

飛空船レヴィキアだと大きすぎて獲物にならないってことか・・・。」


だが、飛竜ワイバーンの数は船が進むにつれ段々増えて行く。


「凄い数だな。何故こんなに多くの飛竜ワイバーンがいるのだ?」

操縦するスタンが不安になったのか尋ねる。


スタンの言葉にカイは

「ルリエル。何か知っているか?」


「渓谷、飛竜ワイバーンの巣」


「渓谷には飛竜ワイバーンの巣があって近づく者を威嚇するという事か。」

そう言ったカイの言葉にルリエルは頷いた。


「しかし、ここを越えないと遠回りだ。

通常のルートとあまり変わらなくなる。」


カイの言う通常のコースとは一旦渓谷の端、海岸まで出てそこからエルフの国を目指すルートである。

その道は果てしなく長い。

飛空船レヴィキアであっても一月以上かかるルートである。


「どうする。数がどんどん増えていっているぞ。」

スタンの言う通り、飛竜ワイバーンの数は渓谷に近づくにつれその数を増していた。


「見ろ!渓谷の下の方には飛竜ワイバーンがいないぞ!あそこを通れば・・・。」


だが、フロームの言葉にルリエルは


「そこ、大海蛇シーサーペント


飛竜ワイバーンは数が多すぎるのか、威嚇する者同士が時にぶつかり墜落しそうになる。

そして今も、ぶつかり合った内の1匹が水面近くにまで落ちる。

必死で墜落を免れようと羽ばたいた瞬間、海面が盛り上がった。

その海面から巨大な口を開けた大海蛇シーサーペントが現れ、飛竜ワイバーンを一飲みにする。


「という事は上か?」

とディンカが言う。

だがカイは

「上は無理だな。寒すぎる。」


「寒い?」


「ああ、ディンカ。

上るとものすごく寒くなる。

あの時は凍えるかと思ったぜ。」

そう答えたスタンは“インパルス”の試験飛行の時にかなり高く登り、寒くて凍るような思いをしたのだ。


「参ったな。真直ぐも、下も、上も駄目とは。」

ディンカがそう言うがカイは少し考えると、


「ディンカ。あれを使おう。艦首の砲塔だ。」


「あれか!だが使わないのじゃなかったのか?」


「“出来るだけ使わない“だ。

今は使うべき時だと思う。」


「判った。目標は?」


飛竜ワイバーン達の中心点だ。

あの飛竜ワイバーンを撃て!」

そう言うと一際大きい飛竜ワイバーン指さした。

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