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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
魔導士は王都へ行くらしい

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魔導士は装置の開発を指示する

カイは新たに手に入れた七人の従業員を大型の走空車グエルに乗りリモーデへ向かう。

リモーデへ向かう走空車グエルの中で彼らは始終にこやかでその目は生き生きとしていた。

中には窓から外を眺め歓声を上げている者もいた。


「みんな楽しそうだね。何かいいことでも・・・略」


カイがそう言うと、銀髪の男、“ジョン・ボンバック”が少し興奮したように答えた。


「だって、リモーデですよ。リモーデ!」


「リモーデって・・・辺境だろう?」

なぜそのように興奮するのか判らないカイは不思議そうに言うと、


「何を言っているのですカイさん。

リモーデは今、最先端の魔道具が生み出されたことで注目の都市なのですよ。」


ジョンによると“持ちの良い回復薬”から始まって、“魔道焜炉”、“簡易水路建設方法”、“走空車グエル”と言った物がリモーデから生み出された。

これらの事により錬金術師の注目を集めているのだそうだ。

その上、王都や近郊都市のギルドに所属している錬金術師は辺境伯によってリモーデに入るのを制限されて、リモーデに居住を移さない限り入ることが出来ない状態となっている。


これは辺境伯による情報の拡散を防ぐ為の物らしい。

走空車グエルの事を考えると仕方のない事だと考えられた。

ジョン達はそのリモーデに入ることが出来るので楽しみにしている様である。


「それにリモーデなら“持ちのいい回復薬”が作れますしね。」

ジョンの意外な発言にカイは驚いて聞き返した。


「え?王都では作れなかったのか?」


カイの問いにジョンは気まずそうに答えた。

「レシピが出回ったので作ることは出来るのですが、王都での販売は禁止されていたのです。」


ジョンは話を続ける。

「王都では錬金術師協会が認めたレシピの物だけが売ることが出来るのです。

そして“持ちの良い回復薬”のレシピは錬金術師協会では認めていない事になっていました。」


それは既存のすぐ駄目になる回復薬は使わなくても次もまた同じ量を購入する。

だが、長期に保存できる回復薬は使わなかった場合、その分減らして購入され、その分錬金術師の儲けが減る。

錬金術師協会は錬金術師の生活を守るという名目で“持ちの良い回復薬”のレシピを認めなかった。


だが、商人は然る者で、王都で売れないのであればと、王都の外で露店を開き回復薬を売ったそうだ。

結果、王都での既存の回復薬の販売は激減し、王都の錬金術師の生活が逆に貧窮することになった。



「結局、よく儲かる方を取ったつもりで、逆に儲からなくなってしまったという事なのです。」

と言ってジョンは皮肉めいた調子で語った。

だが気を取り直して、


「そんな事よりも、カイさん。私やワルターは工房で何をするのでしょうか?」


どうやら工房で何をするのかが気になる様だ。

カイが話に出たワルターの方を見てみると頷いていた。


「君たちのあのコマだが・・・」


「コマ、と言うと“星の回転を測る装置“ですか?」

とジョンが聞き返すと


「そうだ。そのコマの装置を使って走空車グエルの姿勢を制御する為の装置を開発してもらいたい。」

とカイは答えた。

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