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Sランクギルドを追放された魔導士、田舎でスローライフもくろむ・・・が?!  作者: 士口 十介
魔導士は王都へ行くらしい

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魔導士は従業員を手に入れる。

王都とリモーデまで走空車グエルで往復する場合、十日もかからない。

その上、カイは走空車グエルの輸送をディンカに依頼した。


一般用の走空車グエルを持ってくるまでの間、ギルド方面の調査はフィリア、商会の見張りをルリエル、工房の偵察をカイが行ったのだ。

(カイは使い魔で内部の調査を行った)


チャールズの商会はギルドや商人間で評判が悪かった。

彼と取引をするものがあまりいないほどである。


工房で研究をさせられていたのは全部で十人。

錬金術師系の学校を出たばかりの新人が多い。

彼ら十人を使い、魔道ランタンや魔道焜炉などの魔道具を効率化する研究を行っていた。

研究費名目でいくばくかの金を貸し付け法外な利息で縛る。

十分な休憩を与えず長時間研究を強制させ思考力を奪いその成果を吸い上げていた。

その環境は劣悪で工房に値するものでは無い。


彼らの研究の中には魔道焜炉の効率化があり、小さな精霊石でも十分な火力と持続時間を持つ物を作り上げていた。


これらの事がこの十日の間にカイが知りえたことである。

そしてルリエルからは出入りの金貸しがフィリアからはチャールズの身辺を知ることが出来た。

無論、ドレッドにも協力を依頼も行っている。


カイはまず出入りの金貸しから貸し付けの証文を額面の十倍で買い取る。

金貸しは最初渋ったが、焦げ付く可能性があった物が額面の十倍と聞いた瞬間あっさりと売り払った。

その後、リモーデからの走空車グエル到着を待ってチャールズの商店に乗り込んだのだった。




「畜生!騙したな!このままでは済まさんぞ!」

チャールズが顔を真っ赤にして怒りだす。


「これは可笑しなことを言われる。

私が何時あなたを騙しましたか?」

カイの言葉通り騙してはいない。

五男とは言え貴族だし、領地も持っている。

偽名を名乗ったわけではなく、名前を名乗らなかっただけなのだ。


「くっ!」

チャールズは名前を言わなかったことをあまり気に留めていなかった。

どうせ一般用の走空車グエルなんてものは用意できずにやって来ないか、

別の物を持ってくるだけだと考えていた。

全てチャールズが勘違いをしただけなのだ。


「たしかあの時確かに、一般用の走空車グエルがあれば問題ないと言われていましたよね?

あの場にいた者に確認を取ってみますか?」


「だ、だがしかし、彼らには借金があるぞ。

ワシの力で支払いを待っているのだぞ。」


チャールズの言葉にカイは


「その借金の証文はこれの事かな?」


チャールズは証文を見て驚のあまり大声で怒鳴り散らす。

「あの野郎!!裏切りやがった!!!」


カイはその大声を意に介さず

「ではこれで問題はないですね?」

と、確認する。


「畜生!憶えていやがれ!!」

チャールズはチンピラの様な捨て台詞を残し走空車グエルで逃げていった。

走空車グエル自体、かなり高額なものだが取引先が少ないチャールズではまともにさばくことは出来ない無用の長物となるのは目に見えている。

ただ、操縦方法を教えていないのに動かせるのは少し不思議であった。




カイは多人数の移動の為の大型走空車グエルで王都にやって来ていた。

内部には一般用の走空車グエルを積み込む為とリモーデへ何人か移動することになった場合の為である。


カイは“ジョン・ボンバック”と“ワルター・R・ヨーン”の二人以外でリモーデの工房務めの希望者を募った所、五人の希望者がいた。

残りも家庭の事情で移ることの出来ない人達だった。


かくしてカイは新たな従業員を手に入れたのであった。


カイ 「ところで、なぜ借金を背負うことになったのだ?錬金術師ならそれなりに稼げるとは思ったのだが・・・」


ジョン 「それが、最近持ちのいい回復薬が出回り始めて、それで稼いでいた錬金術師の工房が立ち行かなくなって・・・。」


カイ 「・・・・・」

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