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逆転生した魔術師にリアルは屈しました 【凍結】  作者: 影薄燕
第1章 異世界の魔術師が現代日本に転生!?
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閑話 坂本大悟 視点:日常②


「おーい! 起きろ大悟―!」

「んん、何だ母さんか……」

「何だとはなんだ。せっかく起こしに来たのに」

「まだねみーよ……」

「ほらほら、日課の朝の運動するよ!」

「したくねーけど、むりやり連れてかれんだろ?」

「もちろんさ!」

「はあぁ」




 オレは坂本さかもと大悟だいご、5さいだ。

 時計見たらまだ朝の6時前なのに、母さんに起こされた。

 いつからだったか、毎朝こんな感じだ。


 オレの家には小さいけど、ぶじゅつ・・・・とかのれんしゅうが出来るへやがある。

 母さんも父さんもぶじゅつか・・・・・だから必要なんだと。

 で、オレは母さんに連れられて、ここで毎朝うんどうをさせられてる。


「ほら大悟、シャキッとしなさい」

「まだねみーよ」

「今はそうだけど、もうしばらくしたら慣れるさ」


 そんな慣れ、イヤだな……


 でもオレ自身はぶじゅつにきょうみあるから、何だかんだ言っても続けることができる。毎日しゅうかんづけて身体をきたえていけば、母さんや父さんみたいになれるかもしれないしな。2人がすごいのはてあわせを見れば、今のオレにだって分かる。

 オレ、力もあるみたいだし、いつかシュンに勝つんだ!




「じゃあ、母さんが迎えに来るまでおとなしくしてるのよ?」

「わ、分かってるよ」


 あのカッパと出会った日のことを思い出すと、すんげーふるえるんだ。カッパより母さんの方がこわいって。うおぅ、思い出したらまたふるえが……


 ようちえんの中に入ると、ナナミが先に来ていた。


「ダイゴくん、おはよ~」

「おーす、ナナミ」


 コイツはナナミ。オレとシュンのともだちだ。

 オレとシュンは、ようちえんににゅうえんしたら、ともだちをさいてい1人はつくろうって決めてたんだ。けど、なんかまわりのやつら、オレやシュンと合わないのばかりであきらめてたんだ。そしたらシュンが変なさくせんを考えて、オレらと同じようにまだともだちって呼べるやつがいなかったナナミに声をかけた。


 けっかてきには、ナナミはオレらのともだちになった。

 話すことは動物のことばかりだけどな。


 そんなことを思ってたら、さっきから名前は出てくるのにいなかったオレのおさななじみで、1人目のともだちがやっと来た。


「おーす、シュン」

「シュンくん、おはよ~」

「ああ、おはよう大悟。おはよう菜々美」


 コイツはシュン。オレのさいしょにできたともだちだ。

 オレの家の向かいの家にすんでいる。オレもよく覚えていないころからの付き合いだ。今はたいとう・・・・なともだちだけど、もっとずっと前はオレがいっぽうてきにシュンにかまってた気がする。何かいつの間にか、たちばがぎゃくてんしたんだけど、いつごろの話だっけ?


 で、最近になってビックリしたのはコイツが「てんせーしゃ」って呼ばれるそんざいで、こことは違う世界で母さんや父さんよりも生きてきたきおくがあるってことなんだ! しかも、まじゅつっていうの使って、オレらのことおそってきたカッパをたおしたんだ。

 ほんと、スゲーよな。




「じゃあ今日はみんなで動物の絵を描きましょうね」

「「「はーーーーい!」」」


 今日のお絵かきの時間は動物か……

 ナナミがとくいそうだよな。

 てか、もうかき始めてるよ! 何でそんなにまよいなくかけるんだ?


 オレはゴリラをかくことにしたけど、うまくいかない。

 どうも絵をかくのは苦手だ。


 シュンの方を見てみるとオレよりもかくのおそい。

 すんげーなやんでるみたいだけど、なにしてんだ?

 そんでナナミは……って、うまっ!? あれ? オレやシュンと同じでクレヨン使ってかいてるよな? 何であんなうまいんだ!?


 けっきょく、オレのゴリラはびみょうなできになった。




「今日はみんなで『どろけい』って遊びをしましょうね」

「「「はーーーーい!」」」


 外に出ての遊びってのをようちえんではけっこうやるけど、今日は『どろけい』って遊びらしい。クジ引きでオレはどろぼうやくになった。

 ようは10数えられるまで、つかまんなきゃいいんだろ?

 そういうのはとくいだぜ!


 その後始まった『どろけい』でオレはさいごまでにげきった。つかまってもすぐにけいさつやくの手をはなしてにげることができたからな。

 とちゅうでシュンがけいさつやくのナナミにつかまってたけど……あれ、わざとつかまったな。オレには分かるぞ。

 だって、つかまえたのがナナミって時点でな……




「それで、今日はどんな話なんだ?」

「わくわく~」

「そうだな、じゃオレが初めて参加した大規模な魔獣殲滅戦の話でもするか」


 今オレがいるのはようちえんのすみっこの方で、シュンがけっかい・・・・をはってあるから、何をしゃべってもだいじょうぶなんだと。

 ここんとこ毎日のように、こことは違う世界の話をシュンはしてくれる。せいかくにはオレやナナミがたのみこんだからだけど。まじゅつやまじゅうとかが出てくるわくわくする話をシュンはしてくれるけど、たまに口ごもったり、ごまかしたりする。どうしたんだ? って聞くと、「オマエらにはまだ早い」って言うんだ。 どういうことなんだろうな?


 そうそう! オレとナナミは今、まじゅつ使えるようにするためのくんれんしてんだ。まじゅついんし・・・・・・・へのアクセスってのは、シュンがきょうせいてきにしたって言ってた。普通にやってたら1年以上かかるからって。普通じゃない方法でオレやナナミにてきせいがあったからできるんだと。シュンは「これが運命ってやつか」とかつぶやくけど、うんめい・・・・ってなんだ?




 帰ったらばんめしの前に、母さんからぶじゅつのれんしゅうをさせられる。

 母さんはからてがすごくて、父さんはじゅうどうがすごい。

 いつもは母さんがからてを教えてくれるけど、父さんが家にいるときは、父さんがじゅうどうを教えてくれる。って言ってもオレはまだ小さいから、朝の運動のえんちょうみたいなんだけど。あまりむりしすぎても身体こわすからダメなんだって。さじかげん・・・・・は母さんや父さんがちょうせいするから、気にするなって。


 そう言えば、シュンもカッパと戦った時、『身体強化』ってまじゅつ使ったらしいけど、身体がまだできていないから、かなり無茶したとか言ってたような?

 思い出してみると、かいふくしたからって歩き出した後も、ちょっとつらそうだった。オレより歩くのおそかったし。


 ……あの時、オレはカッパがこわくて足がうごかなかったんだ。シュンが「逃げるぞ!」って言っても、ナナミといっしょにその場をはなれられなかったから、シュンが無茶して戦ったんだ。あの日、1番思ったのはくやしい・・・・ってかんじょうだった。アイツが1人でがんばっているのに、オレ、何もできなかった。


 もう少しでまじゅつを使えるようになる。

 こんど、カッパみたいのがおそってきても、戦える。

 シュンといっしょに戦うんだ!



 次回、『閑話 小池菜々美 視点:日常③』


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