2話)「ギルド会館にて」
2話)「ギルド会館にて」
あの夢の後、俺はギルド会館に向かった。ギルド会館とは銀行、質屋などの金融施設や食料品やポーションを取り扱っているマーケット、武器、防具生産やその修繕を行っている鍛冶屋といった多種多様な施設を兼ね備えている大きな施設のことだ。
俺がギルド会館に来た理由は、ギルド会館にある鑑定施設で女神から授かったネックレスを鑑定してもらうためだ。人は体の中に「マナ」と呼ばれる魔術をこの世界に反映するための気のようなものがある。そのマナは鍛錬することで体に蓄積できる量を増やすことができる。また、マナを多く蓄積できる人は女神から授かったアーティファクトの効果を見ることができる。それを職業にしようとした人々の集まりが鑑定施設というわけだ。
しかし、そんな鑑定施設は人気がない。なぜならば女神から授かったアーティファクトの効果は所持者にははっきり見えるからだ。だから、鑑定をお願いする輩は自慢などのために鑑定をしてもらう。
俺はそんな輩ではない。なぜ俺が鑑定をしてもらうのかは、女神から授かったアーティファクトの効果が所持者である俺にもぼやけてしか見えないからだ。
「お願いします…」
俺は白い宝石のはまったネックレスを渡した。
「少しお待ちください」
この鑑定の間、何をしようと周りを見渡すと奥で鑑定している人たちがザワザワしている。何かあったのだろうか…。
「あの…」
少し焦り気味で鑑定した人が奥からやって来る。
「どうかしました…?」
つい、この雰囲気で深刻に聴いてしました。それに答えるように鑑定した人が口を開く。
「このネックレス…、名前は<Import>。Sランクなんです」
「名前は<Import>か、って――ん?」
今、Sランクと聞こえた気が…。魔術を示すアーティファクトにはマナが多い人々が付けたクラス付けがある。クラスは上からS、A、B、C、Dの順で分かれている。一番下のDランクの魔術は指先ほどの大きさの炎が操れる魔術だが、Sランクの魔術となれば世界を操れるほどの魔術という。さっき鑑定した人のいったランクはSと聞こえたのだが…。
「Sランクって――」
「はい。Sランクです」
こんな俺にSランクだとぉぉぉぉ。
2話)「ギルド会館にて」 END
今日は金曜日です。ということで投稿しました。
面白かったらうれしいです。
今後もディフィワをよろしくお願いします。