1話)「夢の中」
1話)「夢の中」
ここは、何処だ―。
周りを見渡しても見覚えがない所だ。
ここは部屋の中ではない。宇宙の中に
いるような感じだ。星のようなものが
まわりで飛び回っている。
こんなことあるわけがない。絶対に
あり得ない。
そうか、夢だ。夢。頬をつねって
見よう。
頬を思いっきりつねった。
「あれ、痛くない…。」
普通、このパターンは夢じゃないと
いうパターンだと想像していたため、
逆に驚いた。
「じゃあ、ここは夢で…。」
夢である事は分かった。しかし、この
状況に説明が付かない。
「・・・」
目の前に一人の少女が現れた。しかし
ベールをかぶっているため、はっきり
顔は見えない。
「これは何なんだ」
「・・・」
「じゃあ、君は誰だ」
「・・・」
「なんで答えてくれないんだよ」
自分が今、思いつく質問に拒否された。
少女が手を前に差し出した。
その手の上に光が現れた。その光は
だんだん大きくなっていく。そして
この空間すべてを埋め尽くすほどに
なり、眩しくて俺は目をつぶった。
「・・・」
「わぁっ」
手に何か当たって驚くと同時に声が
出てしまった。
目を開けると少女に手を重ねられて
いた。
「何してんだよっ」
女子に手を握られたりしたことが
今までなかった。
そのせいで恥ずかしさがこみあげて
きて少女の手をはじいてしまった。
やってしまった…。
心配で少女は俺の手をずっと見ていた。
手の中に違和感を感じて、手の中を
見ると白い宝石のはまったネックレスが
あった。
「これはまさか…」
そうだ。間違いない。人が魔術を使う
時には魔術を発動するための宝石が
はまったアーティファクトが必要だ。
しかし、そのアーティファクトは
夢で女神に手渡されたものでなければ
ならない。
今いる空間は、夢。目の前に少女。
そして手にはその少女から渡された
ネックレス。
「君は女神だったのか」
「・・・」
少女の答えはなかった。そう思った後、
その夢が終わった。
目を開けると、手には夢で見た
ネックレスがあった。
1話)「夢の中」 END
今日は木曜日ですが、いい案が思いついたので投稿してみました。
このようなことは今後もあると思います。
面白かったら嬉しいです。今後もディフィワをよろしくお願いします。