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罪の花  《300字》

物心つくころにはすでに見えていた、人の胸に咲く花。幼い子供にはほとんどなく、年をとった人ほど、大きな花が咲いている。それが他の人には見えていないと気づくのにそう時間はかからなかった。僕は唯一、その花のことについて祖母に相談した。祖母は考え込んだような沈黙の後、言った。


「それは、きっと罪の花よ。」


彼女の胸には、その小柄な体に合わぬ大きな花が咲いていた。巨大な花弁を綻ばせるアネモネは美しくも恐ろしかった。

あれから数年たった今思う。彼女は何を思い、僕にそう言ったのか。彼女の犯した罪とは何だったのか。

今更その答えを知るすべはない。姿見を見れば僕の胸にはそれが毒々しく咲いていた。

僕の犯した罪とは、何だったのだろうか。

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