ライフセーバー
『正義のヒーロー!?ライフセーバー大活躍!!』
新聞の一面に大きく取り上げられたヒーローは赤面した。
「なんでこんなことに…」
「まあまあ、ほら!この写真とかすごくカッコ良く写ってるじゃん!」
目立たないよう静かに戦うつもりだったのに、と落ち込むミナモを励ます聖だが
「そんなことどうでもいいですよ…。」
ミナモが元気を取り戻すことはなかった。
どこにでもある普通の一軒家に存在する広い異空間にヒーローたちは本拠地を置いている。ヒーローといってもついさっきスカウトとされてきたばかりの新人がほとんどで、まだ右も左も分からない状態だ。
LLと犬が出現したため現場に急行したところ、犬が人に襲いかかっていたので犬を撃退したのだが、普通の人間にはない特殊な力を人前で使ってしまったため、話題になることが避けられるわけもなく、自分たちヒーローが何者なのかもよく分からないまま世界に認知されてしまった。
「だいたいライフセーバーって何なんですか。僕らに何をしろっていうんですか…。」
「宇宙人との戦争。」
「は…?」
何の気なしに漏らした疑問への予想外の返答にミナモは言葉を失った