押し売り奴隷の日常。
変態と阿呆の子がいます。苦手な方はUターンを。
【悪戯】
モリに目玉が生えました。
事ある毎に、見えているのを確認していた。
ちょっとからかっただけなのに……。
「モリ!モリ!」
「なぁに?ご主人様」
目玉が装着されると、色気が増すのか…?
蕩けるような顔で聞いてくる。
私は、ピースサインを出して尋ねる。
「これは?」
「2本だよ。ちゃんと見えてる」
「ちぃがぁいまぁすぅ~。これは指です~。分からなかったの?プクク」
「……」
モリは、笑顔のままでピシリと固まった。
ハッハァ!してやった……り?
モリは笑顔なのに、背中からドス黒い何かが蠢いている?!
ひぃ?ガッと両手で頭を掴まれ、ぶっちゅー!
勢いよく、キスされた。
「ひっ!ぅむっ?!んー!んー!」
頭を振ろうにもガッチリ掴まれ、両手で押しても叩いてもびくともしねえ!
ヌルッ
……?!ギャー!何かマグロの切り身みたいなの入ってきたー!動いてるー!気持ちわりぃ!
「ふ、ぁ…あぇ…へ、ぅんっ」
くちくちと濡れた音が響いて、私の頭は爆発しそう。入ってきたマグロを押し出そうとしても、逆に絡め取られる。
うわーん!助けてー!息出来ない!死ぬ。
やっと離れたと思ったら、モリが聞いてくる。
「はぁっ、ご主人様?今の行為は何?」
「ふぁ?」
「なぁに?」
「へ、へろ」
「ん?」
「へ、べ、べろちゅ…?」
酸欠でぜーぜーしながら何言わせんだ!と、思いつつやっと答えた私に、ニィと笑いモリは言う。
「違うよ?【舌ねぶり】って言うんだ。僕は優しいから、分かるまで教えてあげるね?」
「は?やっ、ちょ、待っぇんっ?!んー!んー!」
恐ろしい事を言われ、また再開される。
卑猥な言葉過ぎる!この行為も!
結局、解放されたのは大分経ってからでした。
モリの膝の上で、肩に顔埋めて号泣している私の背をポンポンしている。
お前が原因なのに、お前が慰めるなぁ!
そんなこと言う気力もなく、泣いております。
「うっうっうっ、モリは、私の私の~セカンドキスまで取った~」
「セカンド?」
「やめてって言ったのに…うっうっうっ」
「ごめんね?獣同士では普通にする行為だから」
……え?そういえば、確かにムツゴロ○さんは、犬にベロベロされてたな。あんな感じ?
ガバッと顔を見る。
「ご主人様が大好きだから、それを伝えたくて…ごめんね?嫌いになった?」
「そ、それは無いよ!ただ凄いびっくりして、気持ち悪かっただけ!」
モリの耳がピクリと動く。
気付かなかったんだ私。
犬のベロベロだから、セカンドキスには入らないんじゃないかと、真剣に考えてたから。
モリの顔が恐ろしく無表情になってたなんて。
「……気持ち悪かった?」
「え?うん、何かマグロの刺身大量に口で蠢く感じで、気持ち悪かっただけ。きっと、あんな奥まで入れないんだよ!ムツゴロ○さんのは、口の周りだけベロってた」
「ムツ?……へぇそう。ねぇ?ご主人様?」
「ん?」
「こっちの獣は、気持ち良くなるまで続けるんだ。良いよね?ご主人様に好意を伝える行為だし。僕だけじゃ申し訳ないしね?」
「は?え?ひぎゃー!」
もう一回どころか、気の済むまでやられたのは言うまでもない。
ぐったりしている私を抱えて、ホクホク顔で何か呟いた。
「やっぱり、反応ある方が良いね…」
なんて言ったのは聞こえなかった。
ちょっとからかっただけなのに…。
もう二度とからかわないと心に誓った日でした。
ちなみに、その日は夢でもマグロの来襲を受けた。
も、もう食べたくない。げぷ。
【強制自覚もしくは、洗脳?】
モリのスキンシップが1ランク…いや、3ランクぐらいupした。
その度に、ヘロヘロになるのは納得がいかない。
今日こそ提案してみよう。
「モリ?」
「なぁに?ご主人様」
目玉が生えたモリは相変わらず、背景にピンクが見える色気だ。ちょっとムカつく。主より色気あるなんて…少し分けて欲しい。
「モリは、人でしょ?もうああいうのは、いけないと思うんだ!」
「ああいうの?」
「あ、ああいうのだよ。その、口の…」
「口?口が何?」
「あ~、その、口を舐めるヤツだよ!ああいうのは軽々しくしちゃいけないって、お爺が言ってたの!」
「したら駄目?獣身の時はいくら舐めても喜んでくれるのに、この姿は駄目なの?全部僕なのに、嫌いなの?この姿を否定されたら……僕、もう獣身でしか生活出来ない……」
ズキーンッ!
……私は何て事を…全部モリなのに…あんな悲しい顔させるなんて…。悲しい顔をしているモリを見て、死ぬほど後悔した。自分を殴りたい!後悔で涙が溢れる。
「ご、ごめ、ごめんね?モリ、違うんだよ、嫌いなんじゃなくて、なんか、こう」
「あぁ、泣かないでご主人様。あぁ……この姿で触られるの嫌だよね」
ズキズキッ!
涙に手を差し伸べてきたモリが、泣きそうな顔をして笑って手を引く。
私は、本当に何て事を言ってしまったのか。私のバカ!
モリの下げられた手をぎゅっと握って、言葉を探す。
「違う!違うの!何て言うか……その姿のモリだと、頭おかしくなるというか、力か抜けるというか、無駄に心臓が早くなって息苦しくなるし……」
「……うん」
「獣身の時は、そんなに感じないのに、は、は、恥ずかしいというか」
「うん」
「心臓も痛くなるし…とにかく、嫌じゃない!嫌じゃないんだ!ごめん!嫌な思いさせて…ご、ごめんなさい」
「……もう少しかな……」
「え?」
「ご主人様?何で苦しくなったり、鼓動が早くなるか考えて?」
「………………心臓病?」
「……違う」
モリは、満面の笑みで聞いてきたのに、答えを言ったらガックリしていた。
その後、分かるまで続けられるという約束をした。
モリはもう悲しい顔をしていないので、まぁいっか!
後で気付いたんだけど、状況悪くなってないか?
1日の内にファーストセカンドとか言ってたのが馬鹿らしくなるほど、ムツゴロ○さん的ベロベロが、人身バーションで繰り広げられる!
何で、分かるまで続けるなんて安易に約束しちまったんだー!
今、切実に、お婆が飲んでた救心が欲しい。
「ご主人様は可愛い…けど、辛い…」
お読み頂きありがとうございます。
こそりとお知らせ。宣伝ですね。
ムーンの方で続編の様なもの始めました。、
題名『その奴隷、奴隷やめるそうです』です。
お知らせ遅くなり申し訳ありません。
18歳以上で興味が湧いた方は覗いて見てください。
18未満の方……|ω・`)コソ m(__)m申し訳ありません。




