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私は家にいる方が好きだ。本当は、夜会に出席しずに、ずっと本を読んでいたい。なのに、夜会に出席しているのは、ロバートと会えるから。
ロバートは、私が踊りたいからいつも壁の花になっているのに、懲りずに夜会に出ていると思っている。
ある意味あっている。だって、ロバートと会えて踊れるから嫌々出席しているからだ。
ロバートに手を取られてフロアの踊るスペースへ、連れ出される。
いつの間にか次の曲がはじまる。挨拶をして私たちは、踊り始めた。
踊りながら、意味のない会話をする。私は、それどころではない。
腕がふれ、身体がものすごく近い。心臓は破裂しそうなくらい高鳴っている。
表情に出ないように無理矢理笑顔。顔が赤くなっていないだろうか?
ロバートの綺麗な顔がすぐ近くに、そう思っただけで恥ずかしく、顔が下を向く。でも、この時だけ幸せだ。
みんなが私たちを見ている。
それはロバートが凄くもてるから。
私と似ているけれど、似ていない綺麗な婚約者のアンナがいても、年若い人から孫のいるおばあさままで、みんな一曲彼と踊りたいのだ。