表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方紅蓮流  作者: ぐれん丸
紅き悪魔は妹思い
1/3

地下室に潜む狂気

アクセスありがとうございます。


・もう一度言いますが東方二次創作です。


・二次設定が苦手な方は耐え抜いて下さい。


・東方projectをご存知無い方にはちょっと(?)分かりづらいと思います。自分の文章力を恥じ入るばかりです…御手数ですが、検索して脳内補完して下さい。


・キャラクターは最大限尊重するつもりです。


・カリスマだけがレミリアではありません。




今回の舞台は紅魔館。

時代設定は紅霧異変解決直後です。


 ここは幻想郷。


 外の世界で忘れられた者達が住む、魑魅魍魎の世界。



 その幻想の箱庭には湖がある。


 湖のほとりに建つ真っ赤なお屋敷、それが紅い悪魔が棲む「紅魔館」だ。










「お嬢様、紅茶をお淹れしました。」


 屋敷のメイド長である十六夜咲夜が、テラスに立てた日傘の下で寛ぐ主に声を掛けた。


「あら、ご苦労様。」


 返事をしたのは吸血鬼にして紅魔館の主であるレミリア・スカーレットだった。

 咲夜は備え付けのテーブルにまだ湯気の立つ紅茶を置きながら、主人の物憂げな表情に気付いた。


「どうかなさいましたか?」


「…ん、ちょっとね。」


 レミリアは、ほぅ、と深い溜め息をついて自身の思いを話した。


「ほら、紅霧異変が巫女によって解決されて、私達は幻想郷の一員として認められた形になったじゃない。」


 紅霧異変とは、吸血鬼の弱点である日光を嫌ったレミリアが紅魔館を中心に大量の紅い霧を展開し、幻想郷を紅く染めた事件である。

 その異変は幻想郷の調停者である博麗霊夢によってレミリアが倒されることで解決した。

 咲夜はつい先日にあったその出来事を、苦々しく思い出しながら返事をした。


「ええ、博麗の巫女も意外と話の分かる人でしたね。」


「それで…」


 紅い悪魔は息を静かに深く吸い、意を決した様に言った。


「…フランをそろそろ出してあげようと思うの。」


「妹様を…!?」


 予想だにしなかった言葉に咲夜は驚きを隠せなかった。

 紅い悪魔、レミリア・スカーレットには妹がいる。

 それが"悪魔の妹"フランドール・スカーレットだ。

 彼女は強大な力を生まれながらに有し、力の制御が上手くいかずに周囲の物体を壊しまくるという凶悪な性質があった。

 それ故にレミリアは力の制御が出来るまでとフランを地下室に幽閉し、時空を操ることができる咲夜の能力によって空間を曲げて出られないようにした。

…しかし、いつまでたってもフランは力の制御が出来ず、終には地下室から出ようとさえ思わなくなってしまった。

 今は咲夜が食事を届けるのみで、屋敷の表舞台にでることは全く無い。

 レミリアは、自分が妹を孤独に陥れてしまったといつも思い悩んでいたのだ。

 少しの間二人に降りかかった沈黙は、レミリアによって破られた。


「あの子も好きで物を壊しているわけじゃない。閉じ込めたのは…間違いだったのよ。」


「ですが…いきなり外に出すのは些か、元へ、あまりに危険かと。」


「そうね。だから先ずあの子と仲良くなろうと思うの。」


「…そうですか。どのような方法で?」


「……………………。」


「お嬢様?」


「だ、大丈夫よ!ちゃんと考えてるわ。ま、まあ此処は私に任せて!」

「…不安しか感じないのですが。」


「へ、平気!この紅き悪魔(スカーレット・デビル)にかかればちょちょいのっちょいよ!

 さ、咲夜は今晩、地下室の空間のねじれを解いておいて!」


「…判りました。それでは失礼します。」


 咲夜は、実は自分の主人は意外とバカなのではないかなどとかなり不謹慎なことを考えつつ、紅茶を乗せてきた銀のトレイを小脇にかかえて姿勢を正すと一瞬にして主の前から姿を消した。


  後には苦々しい顔をしたレミリアの呟きが残るのみだった。


「…なんとか、するわ。」

















「…?」


 フランドール・スカーレットは違和感を覚えた。


 ちょっと前に咲夜がご飯を運んで来てくれた。

 咲夜は大体1日に3回くらいそうして来てくれる。

 私の感覚が正しければまだ次のご飯の時間じゃない。


 時計さえ無い薄暗い地下室のなか、フランは独り考えた。


 ここには咲夜の他に人はこない。


 …じゃああの足音は一体誰の?


 フランが結論を出す前に、ドアがノックされた。


「…フラン、入るわよ。」


 あの声は…?


 またもフランが答えを思い付く前に、解答は目に入ってきた。


「…レミリア…お姉さま?」



 その瞬間、フランの心に浮かんだ感情はどの様なものであったか。

 歓喜、憤怒、自由、猜疑、困惑、幸福、悲愴、期待、あるいはこれらとは全く別の何か、あるいはそれら全て。

 目の前の存在に全く対応できず、何故だか先ほど食べた物を戻しそうになった。


「フラン…」


 自分を見つめる姉の眼に浮かぶのは、一体どんな感情だろうか?

 一体どんな用があってここに来たのか?

 今さら自分をどうしようというのか?

 疑念は尽きない。

 フランは衝動的に何かを叫ぼうとし、しかしその言葉は突然に喉元で消えてしまい、口は意味のある言葉を紡がなかった。







 沈黙が続いたのは、何秒か、あるいは何分か、はたまた何時間か。






「…フラン。」


 永遠であり須臾(しゅゆ)でもあるような静寂は、先程と全く同じ、しかし先程より決意に満ちた声により破られた。


「…なぁに、お姉さま。」


 返すフランの言葉からは、感情が殆ど読み取れない。


 次の瞬間レミリアは大きく飛び出し、数メートルあった妹との距離を一気に縮めて…


 ばふんっ


 音が出るほどの勢いで抱きついた。


 悪魔の妹は何が起きたのか理解が追い付かず、あたふたするのみであった。

 やっとのことで状況を理解すると、心に秘めた感情が解き放たれた。


「ッ…!!!」


 盛大な舌打ちと共に出てきた感情は、憤り。


 抱きついている姉を一切手加減無しの本気で振り払った。

 人間など圧倒的に超越している吸血鬼の本気である。


 ズドォオンン!!!


 日常生活ではあまり聞けないえげつない音がした。

 勿論、レミリアが凄まじい速度と力で壁に叩きつけられた音である。

 具体的にどのくらい凄かったかというと、レミリアの後ろの石造りの壁にヒビが入る程度の衝撃だ。


 フランの心は「また壊しちゃった…。」という自責の念と、「ざまぁみろ、外道姉貴(レミリア)。」というどす黒い感情で埋め尽くされた。


壁に寄りかかったまま動かない姉を見て、


「これは…本当に壊しちゃったのかな…?」


などと考えていた。
















「…ふ、ふふ…ふはははははぁ!!!」









 その後に地下室を満たした狂気染みた笑い声は

…レミリアものであった。


「ふふっ…そうよ!それでいいわッ!!」


 紅き悪魔は立ち上がった。



「フラン、来なさい。遊んであげるわ!」










東方projectがあまり分からない方のために


レミリア・スカーレット

…二つ名「永遠に紅い幼き月」

…能力「運命を操る程度の能力」

↑多分使わない(^_^;)


フランドール・スカーレット

…二つ名「悪魔の妹」

…能力「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」

↑多分使わない(^_^;)


十六夜咲夜

…二つ名「完全で瀟酒(しょうしゃ)な従者」

…能力「時間を操る程度の能力」

↑めっちゃ使う(`・ω・)

空間も弄れる模様


二つ名と能力は作品によってまちまちなので、話半分で理解してください。


知らないでここまで読む人は果たしているのだろうか…?


次回は弾幕ごっこを書く予定です。

一ヶ月後までには(ボソッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ