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ロリとバトルと委員長2

ゴーレムっつぅことは

土系の召喚魔法ってことか。


「まずは、体勢を立て直して…だな」


空中で後ろに一回転、

そしてバランスをとると、






目の前にはゴーレムが現れていた。


《ブォォォォォォォ!!!!!!》


はは……嘘だろ?

その体で俊敏って…


「チートだろうよ」


その姿はさながらバレーのスパイク、

コンマ一秒後には、地響きを鳴らして

僕は地面にクレーターを作る。


「痛てーな…………」


ホントに模擬戦闘?

完全に殺りに来てるよねこれ…


なんとかして

立ち上がると、僕の周りには

影ができていて…


《ブォォォォォォォァァァ》


なるほど、そのまま

押し潰そうってこと。


はぁ…………

由利子と、橋木がこっちを

心配そうな顔で見てやがる。


ここで潰れたら

少しは彼女達を悲しませる

ことになるのかね…


地球の重力にしたがって加速する

土の巨体は真っ直ぐに

僕に向かってくる。


《ブォォォォォォォォァァァ!!!》


「潰される訳にはいかねぇんだよ!!!」


脚力をフルに使って

落下位置から離れる。


ゴーレムが着地した瞬間、

吹き荒れる風を背に

更に地面を蹴りだす!!!


一本の矢のように走り出す僕ーーー






ーーーーの前には千の矢が。

ってえぇっ!?


「光の精よ、弓となりて我武具となし、悪しき者を討ち滅ぼせ」


「ちょ!?今反撃するっぽかったじゃん!!!僕のターンだったじゃん!!!待ってタンマァァァァァ!!!」


「【ライトニングアロー】!!!!!!」


心地よいソプラノボイスが

耳に届くと同時、

数千の矢が雨のように降り注ぐ。


それを見た僕は…


「しゃらくせぇぇぇぇ!!!」


頭を庇いながらそのまま

光の雨へ跳ぶ。


もちろん矢は

すさまじい速度で

僕の肉を抉っていく。


「がぁぁぁぅっ………!!」

「ちょっと!?死んじゃうよ!!?」


流石にこの行動は

予期していなかったのか

小春ちゃんは

目を見開きながら叫んだ。


今が好機、

焦ってくれるお陰で

ゴーレムの動きも鈍い。


光の雨を抜けた

直後に僕はダッシュを再開。


「悪いが………痛みには強いんでね…」



後一歩。


こんな戦いは、たとえ

授業でも終わらせなくちゃいけない。


彼女の意識を刈る

手刀を放とうとした、その時、


僕の視界がぐらついた。


「ッーーー!!!?」


それがゴーレムによる一撃だと

気づいた時には

僕は試合場を囲う結界に

激突する。


「ゴフッ……!?」


ドロッとした赤い液体を

吐き出しながら、

僕は訳がわからなかった。


どういうことだ……

ゴーレムはあの時の

小春ちゃんの精神状態では、

間に合わない計算だった。


現に彼女自身も今起きたことに

理解ができていない。


暴走の線も薄い。


ってことは…だ

ゴーレムの魔力の質が

変わってることから

魔法による第三者からの

遠隔ジャック………?


その結論にたどり着いた時、

僕は足を動かそうとした。


だが、立ち上がって、

その場で崩れ落ちる。


「っ…!?」


思ったのより

体へのダメージは深刻らしい。


光の矢を食らってる上に、

さっきので内蔵、

呼吸もヒューヒューと

おかしいから、多分

肋骨と肺もやってる。


その間にもゴーレムは

静かに土の腕を振り上げる。

それに対して

ゴーレムの異変に気づかない

彼女は首を傾げる。


「どうしたの?ゴーレムさん?」

「如月小春!逃げなさい!!!」

「ふぇ?」


降り下ろされたその一撃を

間に入った係員が受け止めた。


いや、受け止めるなんて

ものではなく、

僕と同じように

吹っ飛ばされているのだが。

動かないところを見ると、

今ので気絶してしまったようだ。


ゴーレムは攻撃を止めない。

二撃目が小春ちゃんに

襲いかかろうとする。


「くっそがぁぁぁぁ!!!」


僕は鞭打って

地面を蹴りだす。



そしてそのまま、

小春ちゃんに突進した。


「あっ……武田…君…!?」



最後に見えたのは

小春ちゃんの泣き顔に、

結界の外で

なにかを叫んでいる

由利子と橋木だった。


ごめん…聞こえないよ



グシャッという音とともに、

瞼を閉じた視界が赤く染まった。






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