あ、はじめまして3
「修二」
「わかった」
一言で察してくれたようだ。
抱き抱えていた由里子をそっと渡す。
しっかりと修二が支えるのを
確認してから、
僕は橋木に目を向けた。
「相手は女の子だぞ?大丈夫か?」
「全力でいく」
その短い言葉を聞いた修二は、
いつもと変わらないトーンで
橋木に声をかける。
「おーい美奈ちゃん?戦う理由ができたこいつは一味違うぜ?」
「へ?」
橋木が首を傾げた瞬間、
既に僕は肉薄していた。
「っ!!!」
とっさに腕で防ごうとするが、
ガードの間を縫って
右の拳をめり込ませる。
大きく後ろまで吹きとばす…が
軽いな…インパクトの瞬間
後ろに流されたか
もう一度詰めようと
足に力を入れる。
すると、今度は前方から
風の刃が飛んでくるのがわかった。
「ウィンドカッター、風の下級魔法ですが当たれば痛いですよ?」
だが僕はそのまま
行動を続行した。
切り口から鮮血が吹き出す。
なによりこれに驚いたのは、
橋木だ。
「ちょっ!?正気ですか!?死にますよ!?」
「そんなの問題じゃねぇんだよ」
痛みなんて、安っぽいものより
僕は由里子が傷つけられそう
になったことのほうが大切なんだよ。
だから僕はとまらない。
怒りに身体をまかせ、
右足で蹴りを繰り出す。
首を刈りにいくコースの
ハイキック。
薄皮一枚分、
ギリギリそれは避けられるが、
さらに体を捻って出した
左足の二段目は、見事に橋木の
こめかみを撃ち抜いた。
◇ ◇ ◇
学校へ帰ると。
もう帰りのHRだった。
結局あの後、僕の一撃で
脳震盪を起こしたらしい橋木から
意外にあっさり
『ごめんなさい』
と謝られてしまい、
由里子も許していたので
僕が怒る訳にもいかず、
お開きになった。
その後橋木が
『最後の二撃目、私が反応できるスピードじゃなかったですよ…?これで、異能なしとか、冗談でしょう?やはりなにか力を…』
などと呟いていたが、
いや、僕何も持ってないし。
すると、
今まで話半分に聞いていたHRで
興味深いことが聞こえてくる。
「一年から進級してきた生徒を紹介する」
その言葉に
教室がざわつくが、僕には
そんなのを気にする余裕はなかった。
だって今引き戸を開いて
そこに立った子は…!
「橋木美奈です。よろしくお願いします。」