1話
拙い文章ですが少しでも楽しんで頂けます様に
なのの
6/7 誤字訂正しました。
1年を通して暖かな自然に囲まれた、温暖の地イヴァノヴッチ王国
温暖の地には珍しくここ何日かは夜になると肌寒い日が続いていた
それでも太陽の出てる昼間は暖かく日差しが降り注ぐ
テラスでは国王を初めとする王族と日本から来た少女が午後の一時を過ごしていた
「琴菜さんは来週には帰ってしまうのですね?少し寂しくなりますね」
「ありがとうございます、王妃様学校が始まってしまうので」
「確か高校の2年生に進級だったかしら?」
「はい、王妃様」
日本から来た少女は月宮琴菜といい、少女の父親と国王である父は日本に留学していた頃に知り合い親交を深めている
父と母が出会ったのも少女の父親のおかげらしい、少女の両親と母は幼なじみだそうだ
そのこともあり、少女は父親に連れられて小さい頃から何度もこの地を訪れていた
「イーツ殿下、どうかされたんですか?」
首を傾げて聞いてくる君に僕は慌てた素振りを見せずに答える
「何でもないよ、琴菜の作ってくれたケーキがあまりにも美味しくて、つい…ね」
「ありがとうございます、そう言う風に言って頂けて嬉しいです」
頬をピンク色に染めながら話す琴菜に惚れなおしてしまいそうだ
「琴菜の作ってくれるお菓子って本当に美味しいね」
「ありがとうございます、アンリ殿下」
琴菜に笑顔で話しかけていた、アンリと言うのは父の弟の息子、つまり俺の従兄弟だ
アンリが琴菜に話しかける様子を見るかぎり琴菜に好意を持っているのがよくわかる
でも俺は琴菜を誰にも渡さない
約束を守るために……