13話
お待たせしてすみませんでした
しばらく車で走ったのち、殿下が住む皇太子宮に到着した、
皇太子宮の玄関に横付けされた車から降り皇太子宮を見上げる
「わぁ~」
「琴菜、どうした?」
「えっ、あ、ごめんなさい。完成した皇太子宮を見るのが初めてだったから」
「あの時はまだ工事をしてたからな、僕も最近になって住み始めたんだ、それまでは向こうにいたんだ」
そう、イーツ殿下は王宮の方を見ながら答えてくれた
案内された部屋はせっかくだからと中庭から行くことになった、少し歩くとバルコニーがあり、イーツ殿下に手を引かれ中に入った。入ってすぐにエントランス?(でいいのかな?)を挟んで左右に部屋があった
「右側が琴菜様のお部屋で左側が殿下のお部屋になります」
「あっ、はい」
ボケッと見てたら声をかけられたのであわてて返事をした
窓のようなドアを入るとすぐに寝室らしくベッドが置かれていた、部屋には仕切りがなく少し離れた所にはテーブルとソファ-が置いてありその奥には廊下に続くドアとその近くにトイレやお風呂があった、しかも小さいけどカウンターキッチンもある
「衣装部屋や勉強部屋もある」
「どう?気に入った?」
「はい」
「そう?良かった」
「殿下?他の方は」
気付いたらイーツ殿下と2人っきりだったのでキョロキョロしながら聞いてみた
「お茶の用意をしにいったよ」
「気付かなった…です」
気付かないほど夢中になっていたかと思うとなんだか恥ずかしく頬が赤くなっている気がした
「それより、公式の場以外ではイーツと呼んで欲しいんだけど」
いつの間にかに目の前にいたイーツ殿下に抱きしめられ耳元で囁かれる、私は顔を真っ赤にして答えた
「えっ、そ、そんな…い、いきなりは無理です」
「まあ、時間はあるからでも琴菜には呼んで貰いたいな」
「…はい」
イーツ殿下は優しい笑みを浮かべながら額にキスを落とした
その心地よい時間に私は少しだけ懐かしく感じた・・・