12話
遅くなりすみません、いよいよ王国に到着です
日本を経ち飛行機の中で夜を過ごし、もう間もなく王国に着くというところまで来た。
「皇太子様、琴菜様、間もなく空港に到着する予定になります、シートベルトの着用をお願いします」
「ああ」
「はい」
急いでシートベルトをした後、窓から外の様子を見ると、雲しか見えなかった空が飛行機が下に降りていくのと同時に3ヶ月前に見た景色が広がった
(・・・トクン)
あの時とは違う気持ちが私の心を揺らす
(これから、ここで生きていくんだ)
「琴菜、どうかした?」
「いいえ、何でもありません」
私は心配をかけないように首を横に振った
「そう?」
「はい」
些細な話をしてる間に飛行機は無事に空港に到着した
飛行機を降り、車の準備ができる間、空港の特別室でお茶を飲んでいた
「皇太子様、琴菜様、お車の準備が整いましたのでご用意くださいませ」
「はい」
空港を過ぎしばらくして王宮が目視できるところまで来ると、王宮に向かう沿道には人が溢れかえっていた
「凄い」
「皆、琴菜のことを歓迎してくれているんだよ」
「そう…なのですか?」
「本当ですとも、国民の皆様は琴菜様を歓迎なさっているのですよ」
「琴菜、手を振って応えてあげるといい」
「はい、でも何だか…嬉しいです」
歯にかみながら答える琴菜がつい可愛くて抱き締めたいと思ってしまったのは
琴菜には内緒だ