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桜色の約束  作者: なのの
1章
12/20

11話

遅くなりすみませんでした


なのの




イーツ殿下が来日してから

あっという間に1週間が過ぎた


今日、イーツ殿下と共に帰国する


昨日の夜から私はホテルに泊まり、イーツ殿下と共に過ごしている



今日は朝、起きてから軽く朝食を取ると帰国というか出発の準備をする。



飛行機の時間まで急ぐわけではないが手続きの為、早めに空港に行かないと行けなかった



「日本のいろんな所に行けて楽しかったよ!」



「それは、良かったですね」



「あぁ」



「陛下達にはお土産は買われたのですか?」



「もちろん、頼まれてたの全部買えたよ」



「ぜ、全部ですか?」


どうやら、見せてもらったお土産リストに書かれていた物を全部買ったらしい、結構な数があった記憶があったけど


出来ればずっと日本にいて家族にも友達にも、聞きたかったことがあったし、話しをしたかったことはまだまだあったけど、自分で決めたことだから…


荷物を作り、ホテルを警備の関係で裏口から出て用意されている車に荷物を詰め込んだ。


ほとんどの荷物は送ってあるのでそんなにはなかった。



「琴菜…寂しい?」


私があまりにも静かにしていたのでイーツ殿下が心配して声をかけてきた。


「えっ?」


「だって、これで日本を離れて…暮らさないといけないし…さ」


「寂しい…そうですね…やっぱり日本を離れるのは寂しいですね」


「…琴菜」


「でも、自分で決めたことですから……」


「…そうか」


荷物が積め終わったので車に乗り込み空港に向かう。

琴菜は車の窓から外の景色を見ていた、イーツはそんな琴菜の方を向いて見てたが何も言えなかった。



しばらくして空港に着くと、特別待合室に入る為の入口は取材のカメラや記者と、凄い数の人たちだった。


そを言えば今日から私のことは秘密ではなくなるんだったと思い出していた


イーツ殿下の帰国便についてはともかく出発の時間は極秘扱いにしていたものの、やはりどこからか情報が洩れてしまったらしい。



イーツは琴菜が離れないように手を繋ぎ、自分の体に隠すようにしている


記者たちはその様子から皇太子の後ろにいる女性が婚約者と認識し質問を繰り出す


それと同時にカメラのシャッター音とフラッシュがたかれる。


イーツは質問には答えずに、にっこりと微笑み、手を振りながら、その場を通り過ぎようとするが、それでも記者たちは食い下がって聞いてくる


「イーツ殿下、その隣にいる女性は誰ですか?」


「イーツ殿下、この方は婚約者の方ですよね?」


「ご想像におまかせします」


そう言い終わるとイーツは琴菜の腰に手をおき、引き寄せながら頬にキスを落とす


それを待ち兼ねた様に一斉にフラッシュがたかれ、カメラのシャッター音が鳴り響く


もう一度、頬にキスを落とし、唇を離すとイーツは笑顔で手を振り琴菜の手を繋ぎ、2人に仲良くゲートの中に消えていった


特別機を待つ間、空港の特別待合室では優雅にお茶を飲むイーツとは違い琴菜は顔を真っ赤にして俯いていた


「…イーツ殿下」



「なあに、琴菜?」


「…もう、いいです」



「そう?」



悪気のないイーツ殿下の態度に琴菜は泣きそうになりながらいろんなことを諦めてお茶を飲んだ


そうこうしてる間に、特別機の準備が整い、イーツ殿下に手を引かれながら飛行機に乗り込んだ



出発の時間になり飛行機が飛び立つ、特別機の窓から日本の空が見える




日本で頑張ってこれたんだから向こうに行ってもきっと頑張れる



これからは皇太子妃になるために勉強して…


「…琴菜」


「…イーツ殿下」


イーツは琴菜を自分の腕の中に入れ抱き締めた



もう、琴菜と離れている必要はない


いつも琴菜はそばにいてくれるんだ







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