あおぞら
むかし男の子がいました。
男の子は青空が大好きでした。
ある日男の子は青空の色をした半ズボンを買ってもらいました。
その半ズボンはほんとうに透き通った青空の色をしていました。
男の子はいつもその半ズボンをはいていました。
いつでもどこでも青空の半ズボンはその男の子といっしょでした。
大好きな青空がいつもいっしょなのです。
やがて男の子は大きくなり、青空の半ズボンは小さくなりました。
それでも男の子はその青空の半ズボンをはいていました。
そして青空の半ズボンはすり切れてとうとう小さな布きれになってしまいました。
若者になった男の子はそれでも毎日その小さな布きれを見つめていました。
ある日男の子の手を取って女の子がいいました。
わたしをみつめて。。
男の子はその女の子を見つめました。
そしてその子の瞳の中にいつもの青空を見つけたのです。