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幼なじみは龍でした  作者: 犬丸
別世界編
79/81

第七十九話◇

いつだって、別れは突然だ。


「…え?」


朝起きて、突然カノンに知らされた事実。


「お前には、今日で元の世界に帰ってもらう。」


カノンの眼は真剣そのもので、冗談なんかじゃない事が分かる。


「…ちょっと待ってよ。なんでそんな急に…。」


「…異世界に続く門が、今日の昼に閉まるんだ。」


門?


「その門が閉まったら、お前はもう元の世界に戻れない。」


戻れない…?


「もう、俺やアスカ…他のみんなにも…会えないんだ。」


「…ッやだ!帰りたくなんかないよ!戻れなくても良い!!私、みんなと一緒にいたい!!」


「消えちまうんだぞ!!?」


突然怒鳴れ、肩が揺れる。


「…え?」


消える?私が…?


「…これ以上…お前がここにいると…お前自身が消えちまうんだ…。」


カノンの声が震えている。


肩を持たれる。


「頼むから…ッ!」


その後は言われなくてもわかった。


私は、呆然と受け入れる事しか出来なかった。



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