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第六十一話◇
ーカノンsideー
戦場独特の銃弾の音と血の匂い。
これに慣れたのはいくつ頃だっけなぁ…。
「うわあああああ!!」
やけくそになって突撃してきたこのエリア最後の敵兵を叩き斬る。
「カノンこっちは終わった…って怖!!」
返り血を浴びた俺の顔を見てガイクを連れたヴォルトが言った。
余計なお世話だ。
「うっせぇ。」
「カノン様、このエリアの制圧は終わりました。」
俺がヴォルトに言い放つと同時にジルクが言った。
確かに木も草もなにも生えていない荒野で立っているのはドラグレイドとガルムの兵だけだ。
「うし!じゃあ残ってんのは…城だけか。」
商店街や住宅がある街に囲まれた城。
あそこにバルドがいる。
「みんな聞け!!街の住人は攻撃するな!!向かってくる敵兵だけ倒せ!!!」
「後は城だけだ!!みんな頑張ってくれ!!!」
『オオオオオ!!!』
応えてくれる兵もかなり減った。
散っていった奴らのためにも勝たなきゃいけない。
「突撃!!!」
俺の声が荒野に響いた。